NO.352 4月17日【金】=タコ焼きを科学する=

おはようございます。

昨日からの続きです。大阪の粉もん文化において、お好み焼きと並んで双璧といわれるタコ焼きですが、そのルーツは、兵庫県の明石焼きにあったという歴史についてお話しました。材料は、お好み焼き同様、小麦粉が主体で、卵と出汁を混ぜた生地で焼いて、最後にとんかつソースを改良した独特のとろみのあるソースに青のりとカツオ節というのが、定番です。その結果、味的にもお好み焼きと同系の風味になっていますが、いちばんの違いはその手軽さにあると思います。よりカジュアルな感覚で、食事というよりはおやつ感覚でたべられ、屋外でも歩きながら、あるいはなにか作業をしながら、小腹を満たす感覚で食べるというのがタコ焼きの魅力かも知れません。

タコ焼きのお店は、目の前で焼くオープンキッチンスタイルがほとんどで、生地を流し込み、タコなどの具材を入れ、竹串や千枚通しと呼ばれる道具を使って、器用にひっくり返しながら、ボール状に仕上げて行きます。その技を見ているだけでも楽しいものがありますが、なかなか素人にはすぐには真似のできない技術もあります。家庭用のタコ焼き器も家電製品として販売されるようになり、自宅でタコ焼きをする家庭も増えましたが、おいしいタコ焼きをつくるには、かなりの経験と習熟が必要で、大阪の下町では、タコ焼きを焼くのは主に家長の仕事で、うまく焼けるようになれば一人前という時代もあったと言います。鍋奉行ならぬ鉄板奉行が、タコ焼きをひっくり返すことで家族団らんの時間を演出していたということです。これはお好み焼きにも共通する点で、ホットプレートを囲んで、ワイワイというのは今でも続く粉もん文化のいちばん楽しい側面です。

タコ焼きをおいしく焼くにはある程度の習熟が必要といいましたが、ステップごとにコツがいろいろあります。まず生地ですが、これは好みの問題もありますが小麦粉と卵と出汁の配合割合で食感が全く違ってきます。当然外側がカリッとして中がふわとろというのが、多くの人が好む食感ですが、なかなか家庭で再現するには大変です。水の量は小麦粉の4倍程度が標準ですが、タコ焼き器の鉄板の厚みや熱伝導性によって調整が必要です。また卵の量を多くするとふわふわのタコ焼きになり、明石焼きのようにすることもできます。鉄板の温度は機器にもよりますが、標準は180~200℃程度と言われ、高くなればよりカリカリになり、低いとゆっくりですが中まで固くなり、重い食感になってしまいます。ちょうどよい、外がカリカリ、なかはトロトロをつくるには、水の量と鉄板の温度、そして油の引き方も合わせて、試行錯誤が必要で、タコ焼き器ごとに自分で見つけることになります。

タコ焼きの外側は、鉄板の高温に触れて生地に含まれるアミノ酸が反応し、香ばしい風味とパリッとした皮が形成されます。一方で、タコ焼きの内部は温度が100℃程度しか上がらないので、焦げることなく小麦粉のデンプンが糊化してトロトロになります。内部でうまく対流がおこるように少しずつまわしてあげることで、均一な食感になるというわけです。また球状にしてゆくには、一気に180度ひっくり返すのではなく、90度ずつ回して行くとこぼれ出た生地が鉄板に触れて殻になり、きれいな球に成長してゆきます。途中ではデコボコでも、殻をうまく形成できれば、あとは内部の空気が膨張してきれいな真球になって行きます。家庭でのタコ焼きパーティーの参考になれば幸いです。

今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。

よろしくお願いします。

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