NO.411 8月27日【木】=年間19000人がお風呂で亡くなっている=

おはようございます。
家の中で最も危険な場所は浴室であると、断言するのは福岡県みやま市で地域医療を推進する内科医、工藤孝文医師です。今回は工藤先生が監修する「血管と心臓にいいこと、せんぶ集めました」(青春出版社)から一部抜粋して、日本人が大好きなお風呂が、実は多くの人が命を落とす非常に危険な場所になっているというショッキングなお話をお伝えしたいと思います。

先生は、まずお風呂上がりのビールが非常に危険であると警告しています。お風呂上りに飲むビールや牛乳は実においしいと多くの人が口をそろえます。入浴によって汗をたっぷりかいて、体の水分が800ml程度も少なくなっているため当然です。脱水状態に近いから、普段以上においしく感じるのも無理はありません。短時間で急に水分を失うと、血液が濃く粘っこくなり、血管が詰まりやすくなります。体の負担はとても大きく、血管が弱っている人の場合、心臓病や脳梗塞などの原因になり得ます。そこで、お風呂に入る前に、コップ一杯程度の水を飲んでおくこと、これを入浴前のルーティンにしましょうと先生は推奨しています。

もう一つ事故が多いのが脱衣所です。とくに冬場、暖房のきいた暖かい部屋から、寒い脱衣所に行ったときが危ないといいます。服をぬいだとたん、冷たい空気が体を直撃します。血管が一気に収縮し、血圧がぐんと跳ね上がることになります。このヒートショックにより、心筋梗塞や心不全、動脈乖離といった心臓病で倒れる人がとても多いと言います。血圧や心臓に不安がある人は、冷たい脱衣所でいきなり裸になるのは禁物です。対策としては、前もって脱衣所をヒーターなどで暖めておくことです。20℃以上であれば、裸になっても血圧はほぼ上がらないので、ヒートショックも起きにくくなります。

同じ理由ですが、浴室内も温かくしておくことは言うまでもありません。冬の一番風呂は大変危険であり、心臓に不安がある人は、2番目以降に入るか、お湯のため方をシャワーによる給湯にするのもおすすめといいます。シャワー給湯によって浴室の温度は10℃ほど上昇するうえ、床の冷たさも解消できるので一挙両得です。

次にお風呂のお湯の温度ですが、もちろんおすすめは40℃以下のぬるめのお湯です。熱々のお湯でないと入った気がしないという人もいますが、それではお風呂がリラックスタイムではなく、血管や心臓をひどく痛めつける過酷な時間になってしまうと先生は警告します。脱衣所で裸になり、冷たい浴室に入ると、体温を保とうと、血管がギュっと収縮して、血圧が急上昇します。そしてその状態のまま熱々のお湯に入れば、激しい温度差による刺激が体を直撃する結果になることを想像しましょう。

40℃以下のぬるめのお湯に入ると、心身を休息モードにする副交感神経が刺激されます。その結果、血管が拡がって血流が良くなるので、血圧が上昇することはありません。ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、筋肉や神経がほぐれて、心身ともにリラックスできるメリットもあります。

そして最後に注意すべきは、浴槽での溺死と先生は指摘します。浴室で心地よくなったら要注意です。お湯につかっていると、いったん上昇した血圧がぐんぐん下がっていくといいます。その結果脳の血流が減少し、次第にぼおーっとしはじめ、最終的には意識がなくなることもあります。お風呂での溺死を防ぐには、雪山での遭難を描くドラマや映画のセリフを思い出すことです。お湯の中で気持ちよくなってきたら、「眠ったら死ぬぞ」と自分に警告してください。気が遠くなる前にお湯から出ること、これで溺死は防げます。

お風呂好き、温泉好きの日本人、その一方でお風呂が家のなかで最も危険な場所になっていることは、とても衝撃的な事実です。お風呂に潜む危険性を認識したうえで、正しい入浴法を身につければ、お風呂はこの上なく楽しくリラックスできる場所になることは間違いありません。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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