おはようございます。
昨日の東京外国為替市場は、急速に円が買われ、一時は今年2月中旬以来となる、1ドル=152円台後半をつけました。この1週間で7円超の円高が進んだことになります。専門家の分析によれば、日本銀行の利上げペースが速まるとの思惑が強まり、短期売買で稼ぐいわゆる投機筋の間でドルを売って円を買う流れが広がっているといいます。節目となる155円を割り込み、円のモメンタム(方向性)が変化していると大手外資系銀行の為替ディーラーなどは指摘しています。
4月、5月の政府・日銀による為替介入や、7月末の日米両政府の協調介入でも155円台がひとつの「壁」になっていました。しかし現状は、円安を見込んで円売りを仕掛けていた海外勢などが、さらなる円高の進行を見込んで一気に「円買い」に転じようとしているとの見方が広がっています。
長らく続いてきた円安のトレンドが、ここを節目に新たな方向性に向かうのか非常に大事な局面に来ていることは確かだとおもいます。市場関係者の間で共有されてきた「日銀は急いで利上げできない」「日米金利差は簡単には縮まらない」という円安の根本シナリオが揺らぎ始めたという見方がされています。これまで円を売る根拠となっていた金融政策(金利)の見通しが変化したため、投機筋が一斉にポジションを調整する展開に入ったと言います。
日本の金利が上昇すれば、米国など海外との金利差が縮小します。金利の低い円を売って金利の高いドルを買う取引の利益性が低下するため、円安圧力が弱まるというシナリオです。この円とドルの金利差を利用して利ザヤを狙う取引手法を円キャリートレードといいますが、その手法が金利差が縮小することでうまみが小さくなるため、その巻き戻しが起きていると言われています。
円キャリートレードとは、金利の低い日本円を調達してその資金で、金利の高い外貨や外貨建て金融資産に投資するという取引ですが、これにより市場では円が大量に売られ、金利の高い米ドルや豪ドルに両替して、その資金で米国債、株式、新興国通貨などに投資する取引手法です。結果的に円が売られ、ドル建て資産が買われるので円安の大きな要因になっています。
しかし、円の金利が上昇して利ザヤを生み出す金利差が縮小すると、こうした取引が解消される方向に進むため、外貨建て資産を売却し、得た外貨を円に戻して借入を返済する巻き戻し取引がいま起きているといいます。これが今回の円高の大きな要因と分析されています。
こうした巻き戻し取引は、個別の取引の終了にとどまらず、連鎖的な市場反応を引き起こす原因にもなります。円高を契機に日本株安、新興国通貨安、ビットコイン下落などが同時に発生する可能性が高く、市場での流動性が低下し、価格変動が過剰に拡大する危険もあります。
日本が長年ゼロ金利政策を維持してきたために、円は金融市場において最もポピュラーな資金調達通貨となってきた経緯があります。これが円キャリートレードを定着させ、円安の大きな流れをつくってきたと言っても過言ではないと思います。その流れを変える動きが今回の日本銀行の利上げ判断であり、これが継続されれば円の価値はもう少し実態に合った適正な評価になると期待したいですね。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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