NO.406 8月19日【水】≂ホルモンの不思議=

おはようございます。
ホルモンと聞くと、焼肉のタンやハツ、ミノなどの内臓肉を思い浮かべるケースもありますが、本来の意味はドイツ語で体内の内分泌物を示す言葉です。内臓肉はさまざまな栄養物を含み、滋養強壮や健康的なイメージからホルモンと呼ぶようになったという説が有力ですが、大阪弁の「放るもん(捨てるもの)」が語源という説もあります。いずれにしても、ここで話題にするホルモンは、私たちの体のさまざまな機能の調整役として働いている「内分泌物」を示すホルモンです。

ホルモンの研究は、古くから様々な分野で行われており、医薬品の開発においても大きな研究テーマとしてあることは良くご存じのとおりです。例えばステロイドやペプチドといった物質が多くの医薬品として利用されています。ホルモンは、私たち人間だけでなく、すべての動物に存在しており、さらに植物のさまざまな活動をもコントロールしていることがわかっています。ホルモンの研究と利用は歴史的に見ても、医療の分野より農業や林業といった植物での研究・利用の方が進んでいると言っても過言ではないかも知れません。

例えば、植物の生長にはホルモンが欠かせません。このホルモンを利用活用することで、根や葉を伸ばしたり、結実をコントロールすることは、農業の分野では日々行われています。ホルモンの働きを利用することで、食糧となる農産物はもちろん、園芸植物などもその品種改良や生長、収穫までさまざまにコントロールがされています。オーキシンやジベレリン、サイトカイニンなどの名前は一度は聞いたことがあると思います。こうしたホルモンを利用することで、特定の部位の成長を促進したり、あるいは抑制したり、またブドウが有名ですが、種をつくらない実を誘導したり、まさに私たちに都合がよいように、植物の生育状況をコントロールすることが出来ています。

なぜこうしたことがホルモンで可能になるのか、簡単な例を挙げると、ヒマワリは必ず日の当たる方向に向いて花を咲かせます。ヒマワリでなくても、多くの植物は日当たりの良い方向に茎をのばし、葉を広げます。その指示を出しているのがオーキシンというホルモン物質なのです。仕組みは簡単で、オーキシンは植物の茎や葉で作られると、光の当たらない陰側に移動する性質があると言います。実際には、光を感じる別のタンパク質がシグナルを出すことで、オーキシンが陰側に移送される仕組みです。すると茎や葉の陰側にオーキシンの濃度が高くなります。オーキシンは細胞の分裂・伸長を促進する働きを持つため、陰側の成長が早くなり、茎の場合は日向の方へ屈曲することになるという仕組みです。これがヒマワリがお日様に向かう理由、葉や茎が日なたに向かって伸びるカラクリなのです。

上記はホルモンの働きの一例ですが、植物のさまざまな活動や機能は、このホルモンが広く関与しておりその調整役を担っていると言います。動物の場合には、神経組織が発達しており運動機能もありますから、さらに複雑な身体の機能調整がありますが、それがない植物はある意味、非常にシンプルな調整システムとしてホルモンを活用していると言えます。植物のホルモン調節を学ぶことで、私たち人間をはじめとする動物の体のホルモンの働きも理解しやすくなるのではと思いますので、植物ホルモンの話、明日もさらに詳しく考えてみたいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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