NO.362 5月13日【水】=認知症のリスク②=

おはようございます。

昨日からの続きです。世界でも権威のある医学雑誌「ランセット」が、世界中の研究をまとめて評価した「認知症の予防、介入、ケア」に関する報告では、14項目に及ぶ認知症のリスク因子がまとめられており、これらのリスク因子を減らすような生活や環境を整えることが出来れば、全体の45%の認知症は、理論上予防あるいは発症を遅らせることができると発表しました。つまり生活習慣や社会的な環境を変える努力をすれば、半分近い認知症は防げるし、自分たちの力で変えられるということなのです。

昨日はその14項目のリスク因子を羅列して説明しましたが、整理するために大きく三つのグループに分けて考えてみましょう。まず一つ目は、血管や代謝に関わる要因です。高血圧・糖尿病・LDLコレステロール・肥満・喫煙・過度の飲酒は、いずれも動脈硬化や血流の障害を起こし、脳に悪影響を及ぼします。生活習慣の見直しや適切な治療によって改善できることも多く、体全体の健康管理がそのまま脳の健康につながることを示す要因群です。これらに気をつければ、認知症だけでなく、心血管疾患やがんといった他の疾患の予防にも役立つので一石二鳥です。

二つ目は、感覚や身体機能に関わる要因です。難聴や視覚障害は放置すると外出や会話の機会が失われ、社会的な孤立や活動量の低下を招きます。脳への刺激がとぼしくなると認知機能の低下につながるため、補聴器や視力の矯正などの対策が有効です。また運動不足、頭部外傷も、日ごろの身体の使い方や転倒・事故への注意として意識しておきたい要因です。

三つ目は、社会・環境・心に関わる要因です。教育年数の短さ・社会的孤立・大気汚染などは、個人の取り組みだけでは対応しきれない側面があります。社会全体での取り組みが不可欠な課題ではありますが、人とのつながりを大切にし、心の健康に目を向けることは個人レベルでも実践できると思います。

それぞれのリスク因子が、どのように関係し認知症の発症につながるか、個々の影響の大きさは、食事や運動の習慣、社会とのかかわり方など、生活のあり方に依存する面もあり、個人が生活する国や地域によっても大きく異なることがわかります。実際、世界と日本とでは異なる点も多くあります。では、日本ではどのリスク要因の影響が大きいのでしょうか。

リスク因子別にその影響度をみると、日本では難聴が最も大きな割合を占めていることがわかっています。そして次に大きいのが運動不足です。聴力低下が気になったら耳鼻科を受診してください。そして定期的に体を動かすことは、脳だけでなく血管の健康にも良い影響があります。ジムに通うような本格的な運動でなくても、散歩など、日常の中で意識的に体を動かす習慣を積み重ねることが大切です。コレステロール・糖尿病・高血圧・喫煙・飲酒といった血管や代謝に関わる要因も、無視できない割合を占めていますが、これらはすでに治療法や管理法が確立されている病気です。治療中の人はその継続が、そうでない人も定期的な健診を通じて自分の状態を把握しておくことが、認知症予防という意味でも重要です。

こうして見てくると、認知症の予防は、特別な取り組みというより、血管・代謝・目や耳や身体機能、そして社会とのつながりという日常の健康管理の延長線上にあることがわかります。一つ一つの効果は大きくなくても、複数の要因に継続して働きかけることが、着実な予防への近道と言えます。そして忘れてはならないのが、こうしたリスク因子、特に代謝に関わる要因に対しては、私たちのサステナはまとめて対策ができるということです。認知症予防のためにも、サステナはつづけて行きましょう。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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