おはようございます。
日本が世界でもトップを争う長寿国となって久しいですが、これは国民性や食生活、そして医療の進歩など、戦後の高度成長も合わせて日本人の生活環境が急速に改善してきたことが大きいと考えられています。しかしながら、長生きとともに増えてきた問題もあります。社会としては、人口の高齢化が進み、年金や健康保険といった社会保障制度や、経済活動にも様々な影響が出てきています。個人としても、人生100年時代というフレーズに象徴される通り、長い老後の生活を見据えた人生設計、資金計画を改めて見直すことが求められています。
そんな時代だからこそ、健康であることの大切さがこれまで以上に高まっているのは、すべての人々が認識する事実であり、健康の維持増進には従来以上に意識もお金も使うようになってきたと思います。がんや糖尿病、高血圧といった生活習慣病に対する対策は、定期的な健康診断や、さまざまな公的補助も充実してきており、一定の予防効果、早期発見による早期治療も進んできました。しかしながら、認知症については、他の多くの病気に比べて、治療方法はもちろん、その予防方法についても決め手となる有効な方法が十分に確立できているとは言えない状況で、すべての人々にとって、ある意味がんよりも怖い存在になりつつあります。
その認知症について、イギリスの医学誌「ランセット」が認知症の予防、介入、ケアに関する報告を2024年に発表しており、認知症に関する修正可能なリスク因子として、14の項目を挙げています。報告によれば、これら14のリスク因子を減らすことで、全認知症の約半分45%は、理論上予防もしくは発症を遅らせることが出来ると言います。認知症の半分が予防できると言うのは、大変なことであり、世界中が驚きを以て注目しています。
では、14のリスク因子とは具体的にどのような事なのでしょうか。まず以下に羅列してみたいとおもいます。
1.教育年数の少なさ
若い頃の教育は、脳の認知予備能力を高めると言われ、教育年数が長いほど、加齢や病変による影響を受けても認知機能が保たれやすいそうです。日本は義務教育を含め社会全体の教育環境は整備されていると言えるので、このリスクは比較的小さいと考えられます。
2.難聴
難聴があると会話が減って社会的交流が少なくなり、脳の負担が増えると考えられています。補聴器の使用が認知機能低下の進行を遅らせるという研究が数多く発表されています。難聴は生活の質だけでなく、脳の健康にも深く関わっています。
3.LDLコレステロール高値
悪玉コレステロールが高い状態は、動脈硬化を進め、脳の血管にも影響します。血流低下は認知機能の低下を招く大きな原因です。食事と運動が改善のカギとなります。
4.うつ
うつ状態は、認知症の発症に大きく関連しています。気分の落ち込みによる活動量の低下、社会的孤立が影響していると考えられます。うつ症状が認知症の初期症状として現れる場合もあり、因果関係は単純ではないようですが、適切な治療や支援は、非常に重要であると言えます。
5.外傷性脳損傷
交通事故などによる頭部外傷は、その後の認知症リスクを高めます。特に重度の脳損傷は影響が大きく、高齢者は転倒防止など安全対策が重要とされています。
6.運動不足
身体活動が少ない人は、認知症のリスクが高いと報告されています。運動は血流と代謝jを改善するだけでなく、脳の神経ネットワークにも良い影響を与えます。日常的に身体を動かすことが大切です。
7.喫煙
喫煙は血管にダメージを与え、動脈硬化の原因になります。また慢性的な炎症や酸化ストレスを引き起こし、脳神経細胞にも悪影響を及ぼします。禁煙は心臓や肺の疾患を防ぐだけでなく、脳の健康を守る意味でも重要な対策です。
8.糖尿病
糖尿病は血管や神経に影響を与える病気で、認知症との関連が深いとされています。血糖管理を行うことは、網膜や腎症などの合併症を防ぐだけでなく、認知機能の維持にも役立ちます。
9.高血圧
高血圧は脳血管に負担をかけ、脳血管障害や認知機能低下に関連することが知られています。特に中年期の血圧管理が重要です。
10.肥満
肥満は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と関連し、間接的に認知症リスクを高めます。石庭な体重を保つことは、全身の健康にとって重要です。
11.過度の飲酒
大量の飲酒は、脳に直接影響をあたえるだけでなく、肝疾患や栄養障害を通じて認知機能の低下を招きます。過度の飲酒は控えることをおすすめします。
12.社会的孤立
人との交流が少ない状態は、認知症のリスクを高めることが報告されています。家族や友人との会話、地域活動への参加などは、自然に脳を使う機会にもなります。人とのつながりがあることで活動量が保たれ、気分の落ちこみを防いだりする効果もあります。社会との接点を持ち続けることが大切です。
13.大気汚染
PM2.5などの大気汚染は、体内の炎症や血管への影響を通じて認知症と関連することが指摘されています。日本では環境規制や都市政策など、社会全体での取り組みがなされており、比較的そのリスク因子は小さいと考えてよさそうです。
14.未治療の視覚障害
視力低下を放置すると、活動量の低下や社会孤立につながる可能性があります。眼鏡の調整や白内障などの治療によって視力を保つことは生活の質改善だけでなく、脳の健康にも重要とあるとされています。
医学誌「ランセット」の最新報告から、ざっと14のリスク因子を羅列しましたが、私たちはどのようにこれらの因子を管理し、生活に臨めばよいのか、明日もこの問題をともに考えてみたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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