NO.359 5月1日【金】=UAEのOPEC脱退②=

おはようございます。 

UAE(アラブ首長国連邦)がOPEC(石油輸出国機構)の脱退を表明したことで、石油の国際市場に新たな波紋が広がりつつあります。石油カルテルとも称され、1960年から今日まで石油の国際市場をコントロールしてきたOPECが、UAEの脱退によってその影響力が大きく低下すると見られています。すでにUAEは今後段階的に原油の増産を進めるとしており、OPECがこれまで取ってきた協調減産方針とは真っ向から対峙することになります。世界のエネルギー市場への影響は小さくなく、特に日本にとってUAEは石油の最大輸入国であり、全輸入量の43%以上をUAEが占めています。(2025年実績)

OPECの影響力低下により、UAE以外の産油国も増産に舵をきる可能性も指摘されており、今後原油価格の国際市場はさらに混迷を深めることになりそうです。ホルムズ海峡の封鎖が続く限り、UAEも増産によってすぐに輸出量が増やせるわけではなく、海峡の開放が大前提ではありますが、OPECに加盟する中東産油国の足並みの乱れは、結果的にイランに利することとなり、イランの存在がますます強くなるとの観測もあります。

私たちの暮らしにとっては、原油価格が上がったり下がったりすれば、全エネルギーの85%を海外からの輸入に依存し、さらにその8割を占める原油の価格変動は、非常に大きなインパクトになります。原油が上がれば、石油やガソリンの価格はもちろん、そこから様々な分野で多くの資材や素材の原料となっているため、衣料品、食品、建材、住宅資材、そして医療の分野まで、幅広い生活用品のコストアップにつながります。円安による物価上昇に加えてエネルギーコストの上昇、プラスチックや合成繊維、その他石油製品の値上げで、私たちの生活におけるすべての必要素材や製品に影響があると考えなければなりません。

最も直接的に影響が出ている品目のひとつがガソリンや灯油の価格です。ガソリンは昨年末にこれまで半世紀にわたって道路整備の財源として続いてきた暫定税率が廃止され、一気に1リットル当たり25円程度の値下げにつながりましたが、しかしながら中東情勢の悪化の前には全くの焼け石に水状態となり、政府は昨年度の予備費から8000億円を追加し、1兆800億円の財源を用意して補助金を再開しました。今回は1リットル当たり30円程度の補助金を想定しており、計算ではガソリンだけに使ったとしても300日しか持たないことになります。暫定税率廃止で25円、そして今回の補助金で30円と、ガソリンは合わせて1リットルあたり55円の値下げが実行されていることになりますが、それでも現在の小売価格は170円前後で推移しており、こうした対策がなければ、ガソリン価格は225円を超えていたことになります。

税率の調整や補助金で対策が行われる品目でさえ、これだけの値上げになっていますが、多くの食料品や衣料品といった生活必需品は、まだまだ対策が不充分どころか何も対策されてないというのが現状です。食料品の消費税ゼロも、政府の公約どおりには実現できそうにありません。私たちは、円安による影響、そして戦争による経済の混乱というダブルパンチによって、少なくともコロナ禍以降の数年の間に、生活コストは30%以上上昇しています。しかし、一方で収入も年金も微増の範囲でしか変化しておらず、確実に日本人の生活水準は下降し、貧困化に向かっていると言わざるを得ません。そしてその変化を加速させているのが、格差社会です。格差が広がることで、社会の底辺はさらに厳しい状況に晒されることになります。

私たちにいまできることは、結局のところ自分の生活は自分で守る、家族の命は自分たちで守る、その認識を強くして、自助努力を続けること、できれば仲間を増やして共助の輪をつくって行くこと、それしかないと強く思います。サステナはそのための強力な武器であり、最も大切なツールであると思います。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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