おはようございます。
人間ドックなどで30万人近くの診察・診療に当たるスーパードクター奥田昌子医師の著作「日本人の体質」(講談社)から、一部抜粋させていただきながら、日本人の食生活の変化について考えてきました。1980年前後を境に日本人の脳血管疾患が劇的に減って行きました。健康志向の高まり、食生活の変化によって、日本人のなりやすい病気が変わって行きました。そこに日本人の体質の変化があったと奥田医師は指摘します。
食生活の中で、日本人の塩分摂取量がこの半世紀で半分にまで減少しています。減塩による降圧効果が、脳出血による死亡率の劇的な改善につながったことは間違いないのでしょうが、一方でその効果も下げ止まりが近づいていると分析する専門家もいます。塩分だけが高血圧の原因なのでしょうか。
血圧と塩分摂取量について、1980年に世界のさまざまな地域の人々を対象に興味深い調査が実施されました。その調査報告では、血圧は塩分摂取量だけでは決まらないと結論づけています。ブラジルの先住民は、塩をほとんど摂取せず、血圧が非常に低いことがわかりました。一方で、やはり塩分摂取量がほぼゼロのニューギニアの人々は、日本人と血圧が大差ありませんでした。また、西インド諸島や英国では、塩分摂取量が日本と同じか、もっと少ないのに、血圧が明らかに高かったのです。1988年にも世界規模の調査が行われ、明らかになったのは、減塩しても必ずしも血圧は下がるとは限らないこと、むしろアルコールや肥満など、塩分以外の影響を強く受けることが示され、大きな反響を呼んだといいます。
高血圧患者が多かった、日本の東北地方でも地域によって大きな差があることがわかりました。1950年代のはじめは、秋田県の農村は高血圧患者さんの割合が60%にのぼり、これと対照的に脳出血が少なかった岩手県の漁村は20%だったと報告されています。その差、なんと3倍もあったのです。この二つの地域を比較すると、冬になると厳しく冷え込むのは同じでも、生活習慣に大きな違いなあることがわかりました。
脳出血が多い農村の人は、冬は雪に閉ざされて新鮮な野菜や魚が手に入らないので、塩味の強い漬物や干し魚を食べていました。米どころであったことから、どぶろく造りが盛んで、屋内でお酒を酌み交わしながら静かに春を待つのが常だったと言います。その一方、脳出血が少ない漁村の人たちは、海藻や野菜、そして新鮮な魚を多く食べる一方で、米が不足しがちだったためにあまり飲酒せず、冬も漁に出て体を動かしていたのです。
つまり、減塩だけではなく、飲酒を含めた食生活のバランスと運動など、総合的に生活習慣を見直すことが大切であることがわかります。さらに日本人には、その体質にあった健康法、病気の予防法があり、その中で守るべき習慣と変えるべき習慣を考えることが必要なのだと思います。もちろんサステナ習慣はぜひ守るべき習慣であることを付け加えておきます。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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