NO.279 11月19日【水】=腎臓の次は肝臓の話=

おはようございます。

先週から2回にわたって腎臓の健康維持のための食生活についてお話をしてきましたが、腎臓の次は肝臓です。私たちの臓器は、年齢を重ねるにつれてパフォーマンスが落ちていきます。ところが肝臓は加齢以上に生活習慣の影響を大きく受けるため、日々の暮らしを見直せば老化を食い止められる可能性が高いと、佐久市立国保浅間総合病院外科部長で、肝臓専門医の尾形哲先生は言います。腎臓と同様に肝臓も生活習慣、特に食習慣によってその機能と寿命に大きな影響がある臓器であると言われています。

年齢を重ねるにつれて、肝臓では脂肪がつく脂肪化と、組織が硬くなる線維化が同時並行で進んでいきます。つまり少しずつ脂肪肝と肝硬変に向かうわけです。ところが中には、80代でも脂肪化、線維化がほとんど進んでおらず、一般的な40代と比べても遜色ないほど肝機能が高い人もいます。加齢以上に生活習慣の影響が大きいため、肝臓の老化は努力次第で遅らせられると、尾形先生は言います。ただし肝臓は「沈黙の臓器」とも言われていて、老化が進んでも自覚症状はほとんど出ません。脂肪化や肝硬変の度合いを知るには、腹部超音波検査などが必要となります。

肝機能を回復させるには、アルコールを控えるのが近道なのは間違いありません。肝臓は再生力が高いものの、アルコールを分解してから完全に回復するまでには約48時間かかります。その間にまたアルコールを摂取すると線維化が進むので、飲んだ翌日を休肝日にするだけでも効果的といわれています。しかし実はアルコール以上に、果糖を含む甘い飲み物のほうが、肝臓に大きなダメージを与えていることがわかりました。尾形先生によれば、「甘い飲み物に比べればお酒なんて可愛いもの。ビールのロング缶1本よりも、ペットボトル1本のスポーツドリンクのほうが肝臓に悪い」といいます。

そのほかの糖質と異なり、果糖は肝臓以外の臓器ではエネルギー源として消費することができません。そのため肝臓で使う分を超えて摂取すると、中性脂肪として肝臓に溜まっていき、脂肪肝になるわけです。その証拠に、非アルコール性の脂肪肝を患っている人は約2300万人と推定され、アルコール性の3倍に上ると尾形先生は警告しています。汗をかいた後などはつい冷たいジュースやスポーツドリンクに手を伸ばしたくなりますが、そこをグッとこらえて、水やお茶に変えるだけでも肝臓は長持ちするといいます。一見すると健康によさそうな野菜ジュースやスムージーにも、果糖は大量に含まれています。日常的に飲んでいる人は、代わりに野菜や果物をそのまま食べるようにしたいですね。固形のまま摂取することで、果糖の吸収が穏やかになるとともに、その90%がほかの臓器でも消費できるブドウ糖に変換されて、肝臓に溜まりにくくなるそうです。

より積極的に肝臓の老化を防ぎたければ、筋トレがオススメと先生は言います。筋肉がつくと消費される糖の量も増えるため、肝臓に脂肪がつきにくくなります。そのため筋肉は「第二の肝臓」とも呼ばれています。ブルガリアンスクワットが、手軽にできて効果が高いそうです。片足を自分の後ろに置いた台の上に乗せて、ゆっくりスクワットをくり返す運動です。1日5分、週に2〜3回やるだけでも、筋肉がつくのを実感できるはずといいます。食生活だけでなく運動も含めて、大切なカラダや内臓を長持ちさせるのには、日々のケアとメンテナンスが重要であるということです。もちろんサステナもその大切なルーティーンのひとつであることは言うまでもありません。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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