おはようございます。
暦では今日は立秋として秋が始まる時候ですが、今年の暑さは全く衰える気配がありません。これも地球温暖化による気候変動と言ってしまえばそれまでなのですが、私たちの日々の暮らしに最も大きな影響を持つ天候にいま何が起きているのでしょうか。今年の暑さは今年だけの現象なのか、それともこれから毎年のように起きうることなのか、起きうるとすれば、今後その変動はますますエスカレートするのか、まさに私たちの命と生活に直接的に関わる一大事であるにも関わらず、いったいどれほどの人がその事実をしっかりと認識し、問題の深刻さを把握しているのでしょうか。ここでも自分に火の粉どころか大きな火の玉が降りかからないと行動を起こせない人間の心の弱さがブレーキになっているのではと危惧します。
ニュースでは、毎日のように国内観測史上最高という高気温の記録が塗り替えられています。7月30日に兵庫県丹波市で41.2℃が観測され、8月5日には、今度は群馬県伊勢崎市で41.8℃が記録されました。日陰の観測地点で41度ということは、直射日光が当たる場ではそれよりさらに体感が暑く感じているはずで、都心のヒートアイランド現象が加われば、50℃に迫る気温もあり得る状況になっています。これはもう灼熱の地獄という表現しか思いつきませんが、人間が生きて行ける環境ではありません。1時間もいれば大抵の人は熱中症をおこし、命の危険にさらされる環境です。
この暑さの大元は気候変動であることは疑う余地はないのですが、では去年と違って今年は何が起きているのでしょうか。一つは太平洋高気圧です。夏の天気の代表とも言える太平洋高気圧が、太平洋東部の赤道付近で発生しているラニーニャ現象により、一段と強化され猛暑の大きな原因をつくっています。この太平洋高気圧が非常に勢力が強く、西に張り出して日本列島を覆う形が続くと、高温と乾燥を繰り返すことになり、これが海水温の上昇にもつながり、さらに年単位で海水が熱を蓄積した結果として、日本の周囲を囲んでいる海水温が年々上昇していることが、今年の猛暑の直接的な引き金になっていると分析されています。
太平洋高気圧は、日本のはるか南の赤道付近で暖められた空気が上昇し、これが大気の循環によって日本の小笠原やその近辺に下降気流を生み、空気が圧縮されてできる高気圧です。太平洋高気圧が日本の小笠原諸島近辺まで張り出したものを、特に小笠原高気圧と呼んでおり、これが日本の盛夏の引き金と言われています。では太平洋高気圧が発達するとなぜ暑くなるのか、それは高気圧の中心に起こる強い下降気流によって、空気が断熱圧縮され温度が上がるためです。そして熱を持った空気が海面にあたり、周囲に広がる強い風になります。これが太平洋高気圧から日本列島に向かって吹く熱を持った南風です。その熱い南風が、海面の水蒸気を大量に含んで、日本に到達するために、高温多湿の夏の季節風となり、局地的に大雨や雷雨を降らせる原因にもなります。
日本は四方を囲まれた島国であり、気候が非常に多彩で複雑な特徴を持っています。そのため気候変動と言っても一様ではない面がありますが、明日ももう少しその気候のメカニズムについてお話したいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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