NO.112 12月6日【金】=ほんとうの定年後=

おはようございます。

10万部を越えるベストセラーとして話題の書籍「ほんとうの定年後~小さな仕事が日本社会を救う~」を今日はご紹介したいと思います。著者はリクルートワークス研究所のアナリストとして活躍されている坂本貴志さんという方ですが、厚生労働省で社会保障制度の企画立案業務に従事され、また内閣府の官庁エコノミストとして活躍されるなどの経歴をお持ちの方です。ご本人はまだ30代という若さですが、データを豊富に活用しながら、鋭い視点で定年後の生活を考察されています。非常に興味深い内容ですので、すこし紹介したいと思います。

まず、定年後といえば、やはり漠然とした生活の不安を感じるひとは多いと思います。年金だけで生活できるのかも気になります。定年後も働きたいという意思はあっても、どのような仕事があるのかも心配です。地域社会に貢献しながら、充実した老後を送りたいと考える人は多いと思います。家族や友人とともに将来の生活設計を考えているという人もいるでしょう。こうした人々が定年後に直面する課題に対して、どう取り組むか実践的な方法が紹介されている書籍です。

副題にある通り「小さな仕事」に取り組むことで得られる楽しさややりがいに焦点を当て具体例が紹介がされています。さらに高齢者が地域社会にどのように貢献できるか、日本社会全体を救うヒントも提示されています。自分もなにかできるかもしれないと思える、まさに背中を押してくれる一冊であると感じました。

統計データが示すのは、定年後の収入の実態と生活費の推移です。確かに現役世代のような仕事を続けることは体力的にもまた気力的にも難しくなり、その分年代別の平均収入額は減少しますが、一方で高齢者世帯の平均的な生活費も減少していることをデータは示しています。大きな理由は子どもの独立と、それに伴う教育費や仕送りの減少です。また住宅ローンの完済も大きいと言います。結果的に、年金や貯金も活用すれば、余裕のある老後が実現しやすくなると著者は分析しています。

しかし、その大前提としてやはり年金だけでは不足するという現実があります。収入を継続して得るためには働く必要があります。それが小さな仕事であり、月に10万円程度の収入を得られ、時間的にも体力的にも余裕をもってできるのがよいと著者は述べています。そしてもう一つの前提として、忘れてはならないのが健康です。健康がなければたとえ小さな仕事であっても、働くこと自体が難しくなりますし、支出面でも医療費という大きな負担が生じてしまいます。

本書の結論として定年後に大切なものは、体力やスキルに合わせながら、時間的にも柔軟な働き方ができること、そしてそれが可能である健康状態を維持することが最も大切であることが再確認できると思います。そして私たちのサステナはその両方をかなえることができる最も身近な手段であることを再認識した本でした。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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