おはようございます。
昨日のつづきです。今年4月に大正製薬から発売された、内臓脂肪・腹囲減少薬「アライ」は、いわゆるやせ薬としては日本で初めて承認された一般用医薬品と言えます。正確には要指導医薬品と言うカテゴリーで許可されていますので、薬局で購入は出来ますが、薬剤師などの対面による指導・説明が義務付けられており、一般のかぜ薬や胃腸薬のように自由には買えません。
アライの購入を希望する場合、約1か月間の生活改善の記録(体重、腹囲、食事、運動)を薬剤師に提示しなければなりません。つまり今日行って今日購入は出来ないということです。まず準備として1か月前から食事や運動による生活習慣の改善努力をしてきた記録が必要です。これをもって薬局に行き、薬剤師が確認しないと購入できないルールになっています。さらに服用中も記録を続けていないと次の継続購入ができない仕組みです。日々の記録を簡便にするために専用のLINEアプリが無料で提供されているので、これを利用することが推奨されています。
では、気になるその効果と副作用についても検証して行きましょう。まず効果ですが、臨床試験の結果では、6カ月の服用で内臓脂肪面積が14.1%減少、腹囲も2.49CM減少したと報告されています。ただし、対照の偽薬を服用したグループでも、内臓脂肪面積が5.78%、腹囲も1.63CM減少していますので、実質的なアライによる効果はそれほどでもないのかも知れません。やはり記録をつけることで、毎日食事や運動、そして体重を意識することが習慣化され、これがアライの脂肪分の消化吸収抑制と相まって、効果をあらわしていると考えるのが妥当であると思います。ただ薬を飲むだけで痩せるということではなさそうですね。生活習慣の改善が伴って初めて目に見える効果が期待できるということです。
一方で、副作用はどうでしょうか。アライの作用自体は腸での脂肪の消化を妨げるという単純な機序なので、アライが直接私たちの身体を傷つけたり悪影響を及ぼすような毒性はないようです。しかしながら、結果として脂肪の消化が不十分で、消化不良を起こしますので、下痢や腹痛の症状が現れることがあります。また脂が未消化のまま便に混じるので、油っぽい便になったり、そのせいで便漏れ、肛門から油分が漏れるということがあるようです。慣れるまではオムツやナプキン、便漏れパッドが必要になることもあり、ちょっと普段の生活には支障がありそうです。
これまで自由診療などで使われている、血糖値を抑制したり、食欲を減退させたりする作用のある薬に比べれば、副作用として命にかかわる重篤なものが報告されていませんので、安全性は比較的高いと考えられますが、その分効果はやはり薬だけでは顕著なレベルは期待できず、王道ではありますが、生活習慣の改善努力と並行して賢く利用することが肝心なのだと言えます。やはり飲むだけで痩せると言うのは、幻想でありまずは食事、運動を含めた生活習慣の改善こそが本筋であるということです。そしてその効果をさらに確実にサポートするためにアライのような製品を利用するというのが、正しい使い方なのではと思います。
ここまで内臓脂肪減少薬アライを検証してきましたが、その作用と効果を見てくると、わざわざ高いアライを買って飲まなくても、サステナで十分にダイエット効果を期待できる方法があるのではということに気づきます。その方法については明日またお話したいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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