NO.432 10月8日【木】=第三のビールが消える!=

おはようございます。
ニュースでは大手ビールメーカー4社による談合疑惑でもちきりですが、日本のビール業界は10月から改正された酒税法との関連で、非常に複雑怪奇な構造になっており、特に価格体系がまた大きく変化しています。ビールに限らずすべての食料品が値上げラッシュの現在、その価格問題で市場をリードする大手企業が価格カルテルに手を染めていたとなると、まさに消費者の信頼を大きく裏切る大事件になるかも知れません。現在公正取引委員会が犯則調査という形で裁判所からの権限を得て、価格カルテルの実態を調査しており、早期に真相が解明されることを期待したいと思います。

ところでビール好きの方々にとって、10月からの酒税法改正によるビール価格の改定は、毎日の生活に大きな影響がある一大事として捉えられているかと思いますが、いつも飲んでいるビールはいったい高くなるのか、安くなるのか実のところよくわからないというのが実状ではないかと思います。今回の酒税法改正は、実は2020年以降ほぼ3年おきに税制の改正が行われてきており、今回でようやく一段落といったところなのです。ビール系飲料には、これまでビールと発泡酒、そして第三のビールともいわれる新ジャンルの3つのカテゴリーがあり、それぞれ税率が違っていました。350ml缶で換算すると、税金部分だけで最大49円の差がありましたが、これが三度の改正の結果、今回すべてのジャンルで54.25円に統一されたのです。結果として税金部分では、ビールは値下げ、発泡酒と第三のビールは値上げとなりました。350ml缶でビールは約9円下がり、発泡酒と新ジャンルは約7円上がる計算です。

もともと発泡酒や第三のビールは、この酒税を安くするためにメーカーが知恵を絞って開発した、ビールの代替飲料と言われ、発泡酒は麦芽の使用率を50%以下にすることで、税率を安くしてつくられています。キリンの端麗やアサヒのスタイルフリーがこのカテゴリです。また第三のビールは発泡酒にさらにリキュールを加えたり、麦芽以外の大豆などを原料にしたビール風アルコール飲料で、さらに税率が安くなっていました。サントリーの金麦、クリアアサヒ、本麒麟、のどごし生などのヒット商品が多いジャンルでもあります。

この勢力図に今回の税制改正は大きなインパクトをあたえています。まずはビールがさらに9円税金が安くなったので、一番搾りやスーパードライなど、人気のブランドはさらに愛飲者が増えると見込んでいます。一方で、税率が上がる発泡酒と第三のビールですが、大手4社が足並みを合わせるように面白い動きが見えてきました。4社とも第三のビールで人気のブランドをすべて、ビールのカテゴリーに格上げすると発表しています。税率に差がなくなり、新ジャンルの価格優位性が崩れたため、それならあえて新ジャンルの枠にとらわれず、本物のビールを目指すという戦略に切り替えたものと思われます。

具体的には、まずサントリーが金麦をビール化して10月6日から新発売しています。麦芽の使用料を増やし名前は変えずに、ビール風飲料から本物のビールに変身することになります。価格は従来のレベルを維持しつつ、中身がビールになるというのは、愛飲者にとってはうれしい変化かも知れません。この動きはキリンやアサヒも同様で、本麒麟、クリアアサヒも、新ジャンルからビールへカテゴリーを変更して、それぞれ10月と11月にリニューアルして発売を予定していると言います。キリンは一番搾り、アサヒはスーパードライというメガヒット商品がビールのカテゴリーにありますが、この鞍替えした新製品は、これらの人気ビールよりは低価格での販売が想定されていると言いますから、消費者にとっての価格メリットを残すことで、従来の顧客を守る戦略のようです。

酒税法の改正によって、ビール業界にはまた新たな価格競争が起きそうですが、カルテル疑惑と価格戦略、さらに厳しい時代を迎えているのかも知れません。

今日も一日頑張ってゆきましょう。
よろしくお願いします。

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