おはようございます。
2月に入り、デパートなどのスイーツ売り場は一気にバレンタイン商品一色になりました。バレンタインデーにチョコレートを贈るというのは、日本独自の習慣で、おそらく日本のチョコレート業界の販売戦略が成功し、現在に至っているのだと聞いています。確かに起源とされる聖バレンタインはローマ帝国時代のキリスト教の司祭で、当時結婚を禁じられていた兵士たちを密かに結婚させたとして捕らえられ処刑されて以来、愛の守護聖人として崇拝されるようになったと言いますが、欧米では恋人たちのお祭りとして認識されてはいても、チョコレートをプレゼントする習慣はないようです。
ところがそのバレンタインのチョコレートに今年はある変化が起きています。数年前からチョコレート以外のプレゼントもいろいろ提案されるようになっていたのですが、やはり主役の座は相変わらずチョコレートでした。しかし今年はそのチョコレートに、たくさんのモドキ商品が加わってきています。具体的には、複数のメーカーがカカオ不使用で、一見チョコレートとしか見えない代替チョコレートといわれる商品群が登場しているのです。その背景には、原料となるカカオの供給がひっ迫し、価格が高騰していることがあります。原料カカオの価格は、数年前の4倍以上に高騰しており、カカオショックが起きているのです。
カカオショックの最大の原因は、気候変動です。世界のカカオ生産の7割を占めるのが、カメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアの4か国と言われています。これらはすべて西アフリカにある国ですが、カカオの生育に適さない32℃以上の暑さになる日が増加しているそうです。その結果カカオの収穫量が落ち込む結果につながっているのです。さらに気候パターンが変わると、病害虫のまん延も懸念されており、ますます収穫量が減少する傾向にあるとのことです。カカオは新たに植えてから収穫できるまで数年かかるため、短期間で生産量を増やすことが難しい作物です。この構造的な制約が、需要増に供給が追いつかない状況を生み出しているといいます。
カカオの供給がひっ迫し、価格が高騰する中、日本では円安の影響も加味され、チョコレートの原価が急騰しています。そこで登場したのがカカオを使わない、チョコレート代替品です。各社さまざまな工夫を凝らした製品を開発しており、カカオの代わりにオート麦を使ったもの、大豆を発酵・焙煎したもの、ゴボウを使ったものなどがすでに発売されています。その中でも、本物のチョコレートと見分けがつかないくらいの香りと味わいを再現した商品が、イオングループから発売された「チョコか?」という商品です。カカオではなくひまわりの種を発酵させ、焙煎工程を経て、チョコレートに仕立てています。
商品名「チョコか?」のネーミング通り、食べた食感や風味はチョコレートそのものだといいます。オリジナル原料の開発は、ドイツの会社で、カカオに代わる原材料としてひまわりの種を使用しており、カカオ同様に発酵・焙煎の工程を経ることで、まるでカカオ由来のチョコレートのような香りと味わい、口どけを実現しています。革新的なテクノロジーにより生まれた全く新しい選択肢として、世界的にも注目されているそうです。
代替チョコレートの開発がすすむ一方で、カカオショックは今後も長引くことが予想されています。カカオの木は苗木を植えてから収穫まで数年かかるうえ、気候変動の進行を考えれば、カカオの生産回復は簡単ではありません。さらに主要産地である西アフリカでは、長年にわたり児童労働や低賃金労働が国際的な問題となっています。持続可能なカカオ生産には、こうした問題も同時に解決してゆかなければならないため、地元政府はもちろん、関わる業界の企業も協力して生産農家を支援する取り組みが求められています。私たちも一消費者の立場ではありますが、こうした背景を理解したうえで製品を購入することが支援につながると考えています。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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