おはようございます。
昨日からの続きです。食品の期限には、消費期限と賞味期限がありますが、主婦を対象に行われた調査報告では、消費期限が切れていても76%が何らかの工夫をしても食べると答えました。また賞味期限切れの食品については、食べずに捨てると答えた人は5%あまりにしかすぎず、大半の人が結果的には食べているという実態が明らかになったのです。行政の側も、消費期限は食の「安全」を保つための基準、賞味期限のほうは安全というより味が落ちるか否かという点を目安として定めているといいます。
では、消費期限と賞味期限はどのように設定されているのでしょうか。具体的に何を測定し、どのように期限を決めるのか、行政の定めるガイドラインを詳しく見てみたいと思います。いずれの期限も設定のためには保存検査を行う必要があります。保存検査には①理化学試験、②微生物学的試験、③官能検査の3種類があります。測定するものはそれぞれとこなりますが、いずれも客観的に数値化できるものであります。
①理化学的試験では、味や見た目にかかわる、にごり、ねばり、酸性度を示すpH、色の変化、油の酸化の度合いを見ます。
②微生物学的試験では、腐敗や食中毒の可能性を客観的に測定します。食品が安全かどうかの判断に最も直接的に結びつく試験であり、よく用いられる指標には、一般細菌数、大腸菌群数、乳酸菌数、真菌数などがあります。
③官能検査では、人間の視覚、味覚、嗅覚などの感覚を通して、色や香り、食感などを一定の条件下で評価します。個々の感覚のばらつきが大きくならないよう訓練された複数のパネリストが、カビ発生の有無などを確認し、また実際に食品を食べて、5段階評価によって点数化します。食品の「おいしさ」を決めるのは、機械ではなく結局は人であるという点は面白いですね。
これらの検査によって、一定期間ほぞんしたあとに食べられるか否かを判断し、保存できる期間を設定します。さらに、個々の食品には品質のばらつきや、店頭に並べられる際の環境の違いがありうるため、検査でせっていされた「保存できる期間」より期限が短くなる可能性があることから安全係数が掛けられます。安全係数は1よりも小さい数ですが、どう設定するかについてはルールがなく、経験則や商習慣で決められています。具体的には、0.7としている場合が多いといいます。消費期限・賞味期限はこのようなプロセスを経たうえで「科学的・合理的根拠をもって適正に設定すべき」とガイドラインは業者に指導しています。
表示された期限に関わらず、多くの主婦が食べられるが否かを判断しているのは、大雑把にいえば味や見た目に感じる変化であると思います。そしてその変化は大抵は、腐敗によって起きているので、これは微生物学的試験の項目に現れる変化で捉えることが出来ます。味に違和感を覚えたり、お腹を壊してしまったりというのは、まさに食品中の細菌が増殖している結果であり、食品が安全かどうかの境目も、そこにあると考えてよさそうです。生菓子などの非加熱食品は、製造直後でも細菌数の許容範囲が高いため、夏場などはあっという間に細菌数が増えてしまうので、消費期限が非常に短く設定されてしまうということなのです。
現在、食品を中心に物価の高騰が続いている中、いかにフードロスを減らすかというのは、社会問題であると同時に、消費者の生活課題にもなってきています。消費期限・賞味期限の設定には安全係数が含まれていること、購入後の保存環境によっても、品質劣化、腐敗の進み方は全く違ってくることなどをよく理解したうえで、例えば日持ちさせたいときは、真空パックを活用したり、可能であれば冷凍保存をするなど、細菌数の上昇を抑える保存法を臨機応変に活用することも、生活と健康を守るうえで必要な知識、知恵であると思います。もちろんサステナもその知恵の一つであることは、言うまでもありません。
今日も一日頑張って行きましょう。
メリークリスマス!


コメント
お話の通り、消費期限は気にしますが、賞味期限は額面通りしないケースが多いです。心配の時は、サステナを飲んでから食べると良いですね。