おはようございます。
ウイルスによる感染症、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病、そしていまや2人に1人が罹るというがん、私たちの生活と命を脅かす病気や疾患はさまざまですが、医療と科学の進歩により、その対処法治療法は少しずつではありますが前進しており、人類は着実にこれらの問題をひとつひとつ解決してきています。過去200年を振り返れば、さまざまなワクチンや抗生物質の開発により、感染症を中心に多くの疾患に対して、人々の命を救う結果を残してきたと言えます。感染症のような外敵の侵入から引き起こされる疾患・病気に対しては、抗生物質などの薬剤の開発はとても顕著な成果を上げてきましたし、多くの製薬企業がその発展に貢献してきたとといえます。
しかし、20世紀に入って以降、人々の命を脅かす病気や疾患は、それまでの外部からの侵入者だけではなく、自身の体内を起源とするトラブルの方が多くなってきます。その最たるものががん腫瘍であり、また一連の生活習慣病もその原因は生活習慣の乱れという内因性のトラブルによって引き起こされる病気です。こうした病気は、その原因となる敵が、例えば感染症を引き起こす病原菌やウイルスのように、はっきりと見える敵として存在しないために、非常に対処や治療が難しくなります。がんにしても、がん細胞になってしまえば敵として捕捉できるようになりますが、元はといえば自分の細胞の一部であり、ある日突然がん細胞に変化するわけですから、なぜ豹変して敵になってしまうのか実のところはよくわかっていません。言えることは、人間が日々生活する中で体の細胞や臓器も老化という経時変化を続けており、時に自己修復できないレベルに陥ったところが病気として現れるのだろうと考えられます。
こうした病気そのものが、内因性のトラブルによるものに変遷してきているのは、上述のとおり私たちのカラダの老化が根本にあり、それを日々修復し、代謝することで更新してくれているのが、生体防御のしくみであり、自己治癒力とも言われる能力なのだと考えます。しかしながら、こうした生まれながらに備わっている能力が、現代人は弱くなってきているのでしょうか。もちろん生活環境の変化、特に食生活の変化により、従来になかったようば化学物質や汚染物質に晒されたりすることで、本来の能力が弱められている部分もあることは事実ですが、それよりも大きな要素としては、やはり人間が以前より長生きするようになったことが、最も大きな変化要因だと考えています。人生100年時代となった今、私たちのカラダはまだまだその変化に追いついていないのだろうと思います。
人間はその環境に合わせて進化を遂げてきた生物ですが、しかしその進化は何億年という長い時間のなかで、数多の世代をかさねることにより突然変異を繰り返した結果が、進化につながってきました。つまり進化というプロセスは100年や200年というい時間のスケールでは起こらない変化であり、織田信長が人間50年といった時代と、現在の人生100年時代では、私たちのカラダは何も変わっていないということです。同じカラダを使って倍の時間を生きていれば、当然あちらこちらに故障やトラブルが起こるのは避けられないことであると思います。10年で廃車にしていた車を、20年乗り続けるためには、より丁寧に扱いながら、相当のメンテナンスが必要だということなのだと考えます。
カラダの老化とどう向き合うか、どのようにすればより長く大切に乗り続けられるか、来週もこのお話続けたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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