NO.264 10月21日【火】=ペットと健康=

おはようございます。
多くの科学的研究が、犬やペットを飼うことで精神的および肉体的な健康を大きく改善することを実証しています。アメリカ公衆衛生局によると、ペットとの交流は、心血管疾患や脳卒中、認知度のリスクを高める孤独感を軽減する効果があるといいます。340万人を対象とした調査では、犬を飼っている人は心臓病の発症率が低く、平均寿命が長いことが明らかになっています。ワシントン州立大学の研究では、犬を10分間撫でることでコルチゾール(ストレスに関わるホルモン)が減少し、日本の研究ではアイコンタクトが感情の安定を促進することが確認されています。

また犬の存在は社会的な交流を促進し、私たちをコミュニティに頻繁に引き寄せ、帰属意識を強化するといいます。ある調査によると、ペットを飼っている人の80%は、ペットを飼っていない人よりも孤独を感じにくいことがわかっています。犬がいるだけで血圧が下がることもあるようです。人と動物のつながり研究所(IHAC)のフィリップ・テデスキ氏は、犬が8万年にわたる共進化の中で発達した注意力により、人間の感情状態を感知する能力を得たといいます。嫌な一日を過ごしても、帰宅すれば犬が何もかも忘れさせてくれる。うまくいった日もそうでない日も、ペットはただあなたに会えたことをよろこんでくれる。ペットを持つ飼い主の多くが日々体験していることだと思います。

ハンガリーで行われた別の研究では、犬の飼い主は友人や親戚の関係よりも、ペットとの関係により充実感を得ていることがわかったといいます。科学誌「Scientific Reports」に掲載されたこの研究では、犬は多くの人間関係に比べ、より多くのサポートを提供し、ネガティブなやり取りが少ないことが示されています。研究チームは、犬が愛情、信頼性、仲間意識において特に高い評価を受けており、親密さを除くほぼすべての項目で、恋人、友人、親戚を上回っていることを明らかにしました。ちょっと信じがたい研究結果ではありますが、事実なのです。

では、なぜ犬は理想的な仲間とされるのでしょうか。専門家たちは、「高い仲間意識」「葛藤の少なさ」「明確な世話役の役割」という三つの要素を指摘しています。犬と人間の絆は、ある意味不平等な力関係によって形成されているといえます。飼い主の決定に犬が意義を唱えることがないため、緊張や葛藤が軽減されると考えられています。

研究では、参加者に対して、養育や葛藤と言った尺度を用いて、犬と、最も親しい親戚、恋人、親友、子供との関係をそれぞれ評価するように求めました。その結果、犬と飼い主との関係は、親子の絆に最も近い一方で、ネガティブな経験ははるかに少ないことが明らかになったそうです。人間関係が強い人ほど犬とも強い絆を築いており、犬は人間関係を代替するのではなく、つながりを補完していることが示唆されています。子供を持つことで犬を仲間として評価する度合いがわずかに下がったものの、他の点では大きな変化はなかったといいます。結局のところ、犬は批判や騒動を起こすことなく、安定した精神的な支えを提供してくれる存在であると、研究者たちは結論づけています。

ペットの存在が、私たちの生活に楽しみと安らぎを与えてくれる。そんな理由でペットを飼う人は多いと思います。ペットとのより良い関係性が、ストレス解消のみならず、心血管疾患や認知症の予防など、健康面でのメリットも大きいことが科学的に証明されています。ペットが家畜動物とは異なり、まさに家族の一員として扱われているのは、現代人の生活の知恵のひとつなのかも知れません。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

コメント

  1. ピンピンキラリ塩谷勇人 より:

    この結果は、人間社会に大きなヒントを与えてくれる結果ですね。サステナを向上させていくためのリーダーとして、高い仲間意識、世話をし合える関係、ストレスの少ないチームづくりができる大人の感謝文化を築いていこうと思います。