おはようございます。
今週22日【日】に世界中を驚かせた、米国によるイラン核施設の空爆攻撃ですが、それから2日も経たずにトランプ大統領は自身のSNSで、イランとイスラエルが完全な停戦合意に至ったと投稿しました。世界のメディアはその投稿の真偽を確かめ、事実を検証するのに躍起になっていますが、今回の核施設攻撃も同氏のSNS投稿から始まり、そして停戦についてもその投稿が起点になっている事実があります。米国大統領という絶大な権力を持ち、世界に大きな影響力を及ぼす立場の人間が、何ら公式の会見や発言の場を設けず、SNSというある意味個人的な発信の場を通じて、世界の一大事をスクープ的に投稿するというのは、それがフェイクなのか真実なのかの確認もできないまま、世界中に情報が拡散してしまうというとても危険な行為であるように思えます。結局ホワイトハウスや公的な報道機関からの発表はすべて後追いの形となり、ただ一人の影響力のある発信者に踊らされているようにしか見えません。
今回の米国によるイラン核施設空爆から停戦合意の発信までを検証してみると、すべてトランプ氏のSNSがその起点になっており、まさにトランプ氏が描いたシナリオに従ってドラマが進行しているように見えます。今回のトランプ劇場の登場人物はイランとイスラエルと自身ですが、相互の交渉ややり取りはなんら発表されないまま、いきなり空爆作戦が実行され、そしてイランもすぐさまカタールの米軍基地を報復攻撃しますが、事前通告があったので死傷者はないとトランプ氏はSNSに投稿、これに続いて、イランの配慮を称える文言に添えて完全停戦が合意されたと、やはりSNSで投稿しています。まるでトランプ氏がすべての筋書きを自作自演しているようで、イラン政府やイスラエル政府は現時点ではなんら正式なコメントを出していないと言いますから、まさに軍事力という力に任せて、強引にそのシナリオに従って登場人物を動かしているように見えます。
結局、イランもイスラエルも選択肢のない立場に追い込まれて、トランプ流のディールに乗らざるを得なかったのかも知れません。イランには圧倒的な軍事力で威嚇し、イスラエルもパレスチナとイランの両面では厳しくなってきたところを突いて、強引に抑え込んだ形です。たとえイランもイスラエルも公式には認めなくても、一旦は矛を収めるしかないと判断しているのだろうと思います。
しかしながら、根本的な問題はなんら解決されておらず、今回の事件でイランはますます米国に対する敵意を強めるでしょうし、イスラエルもイランやアラブ諸国と融和どころか対立が厳しくなってゆくことが予想されます。
ここでさらに俯瞰して今回の事件を考えてみると、イランにしてもあるいはイスラエルはもとより、米国もそれぞれの国民は何も知らされないまま、トランプ大統領という一人の人間により大規模な戦闘行為が引き起こされ、多数の市民が巻き込まれた上に死傷者も出て、そして複数の国の指導者と言われる立場のごく限られた人間の思想や個人的な判断によって、世界に甚大な被害と影響を及ぼしてしまうという現実を見せつけられたように思います。そしてこれらの行為や判断が、まったく民主的なプロセスを経ることなく、個人的なSNS投稿という非常にあいまいな情報発信によって世界が目撃しているという、従来では考えられない事態に背筋が寒くなるような恐怖すら覚えます。私たち日本人にとって唯一の同盟国である米国の行動は、必ず我が身に降りかかる問題であり、静観はできない問題であると思います。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

コメント
数日前の報道でアメリカの大規模な軍事パレードの様子が映されていました。あれを見た時、他の独裁国家が定期的に行なっている軍事パレードと中身は同じように見えました。トランプさんの本音は独裁者になりたいのかと勘繰ってしまいます。