NO.170 4月8日【火】=蛍光灯2027年問題=

おはようございます。

すでにご存じの方も多いと思いますが、2027年末をもって蛍光灯の生産が世界的に禁止されます。日本の製造メーカー各社も2027年に対応すべく生産終了に向けて準備を進めており、東芝などはすべての蛍光灯製品の生産をすでに取りやめています。これは2023年11月に開催された「水銀に関する水俣条約、第5回締約国会議」で取り決められたもので、目的は環境保護と省エネルギーのための国際規制を強化するものです。

この条約は別名水銀条約とも呼ばれており、国連において2013年以来、日本が主導的に進めてきた国際条約で、その名のとおり日本で発生した水俣病のような健康被害、環境汚染を繰り返さないために、国際的に水銀を管理しようとするものです。2019年までに128か国が署名しており、すでに世界的な取り組みになっています。もちろん現在までこの条約を批准していない国や地域もあるため、2027年末の禁止には、生産のみならず輸出入も含まれています。

期限まで3年を切った現在、蛍光灯からLEDへの移行が進んでいるのは、全体の6割程度と言われており、いまだに家庭のみならず工場や事業所などでもまだまだ蛍光灯が大量に使われている実態がありますが、政府はLEDへの移行を後押しすべく、補助金制度の利用も地方自治体を通じて奨励しています。しかしながら、蛍光灯の生産中止について一般の人の認知はまだ2割程度と十分に浸透していない現状があります。LED照明との違いについての理解も、3割程度しか進んでいないと言います。

政府は2030年までにLED照明の普及率を100%にすることを目指していると言いますから、今後さらにLED照明への移行が加速すると思われますが、LED照明の利点についてここで整理しておきましょう。

● 省エネ効果が高い:蛍光灯に比べて消費電力がおよそ2分の1のため、電気代の節約になる

● 寿命が長い:点灯可能時間が蛍光灯の約4倍と言われ、交換頻度が少なく経済的である

● 発熱が少ない:熱を持ちにくいため、空調効率が上がる

● 虫が寄り付かない:LEDの光には紫外線がほとんどないため、虫が集まりにくい

良いことばかりのLED照明ですが、当然ながら蛍光灯からの移行には初期投資が必要です。ランプのみならず、照明器具ごとの交換が必要となれば、工事費がかさむケースもあります。しかしながら、生産中止が決定している蛍光灯を使い続けるより、ランニングコストは明らかに低減できるので、早めの交換、移行が間違いなく有利であり、補助金などをうまく利用することが肝要と思います。

2027年で完全に生産が終了する蛍光灯ですが、その後も在庫の販売や購入は認められており、しばらくは蛍光灯を使い続けることは可能です。しかし供給が不足すれば価格は高騰する可能性があり、また廃棄やリサイクルについても、水銀使用産業廃棄物として扱われるため、事業者は特別な処理が義務付けらており、負担が増える可能性もあります。利用者としては、2027年を待たずに、できるだけ早期に計画的にLED照明への移行を実行すべきと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

コメント

  1. 阿部 敏行 より:

    これは知りませんでした!
    消費電力もLEDの方が少なかったんですね・・・