おはようございます。
政府の備蓄米約21万トンの放出が決まり、市場のコメ価格が落ち着くかに思われましたが、現時点では落ち着くどころかまだ上昇を続けているというのが現状です。スーパーなどの売り場では、いまだに品薄状態が継続しており、価格も5キロで5千円を超える値札が付けられるようになりました。この先、私たちの主食であるお米はどこまで値上がりしてゆくのでしょうか。備蓄米の放出によって今後どのくらい価格は下がるのでしょうか。さまざまな視点で専門家が市場動向について予想をしていますが、立場によってかなり観測も意見もバラついており、果たしてどうなるのか非常に不透明に感じます。
最初に放出された15万トンの備蓄米の入札結果が、今日公表される予定になっていますが、果たしてどのくらいの価格帯で落札されたのか、またそのお米はいつ頃、どれくらいの価格で市場に出回ることになるのか、流通業者、関係者はもちろん、私たち消費者もまさに固唾をのんで見守っているという状況です。15万トンのうち10万トンが2024年産の新米、5万トンが2023年産で、あきたこまち、コシヒカリ、こしいぶき、ひとめぼれなど、人気の品種を含む41品種と発表されています。さらに残りの6万トンも次に控えていますが、この21万トンの放出でどの程度市場が落ち着くのか、政府としてまずは様子を見たいとしていおり、さらに追加の放出も検討しているとのことです。
現在の市場価格は品種によって差がありますが、5キロの平均価格が4000円台まで上昇しており、ちょうど一年前の価格と比較すると、2倍になっているというのが現状です。ふるさと納税のサイトでは、ブランド米の返礼品に申し込みが殺到して、ある自治体は以前の10倍以上に増えたため、発送ができなくなったところもあるようです。今後の市場価格の動向は、さまざまな見通しが出されていますが、多数の専門家は価格の上昇は一旦落ち着くものの、相場が下がるまでには至らず、しばらくは高値安定状態になるとみているようです。
今回の政府備蓄米の放出が、市場の価格相場を押し下げるにまで至らない一つの理由として、政府の買戻しがあります。備蓄米を落札した業者は、1年以内に同等、同量の米を政府に戻さなければならないルールで、25年産米の作況が現時点では全く見通せておらず、落札しても流通の目詰まりがどの程度解消されるのか、業者間での心理的な思惑も働いて、非常に先が読みづらい事情もあるようです。結果的には、日本の国内需要と言われる700万トンに対して、長年減反政策などの生産調整を行ってきた政府の農業政策の限界が来ていると多くの専門家が指摘しています。インバウンド需要の伸びなど、いくつかの要因が重なって昨年6月に民間在庫が40万トン少ない事態が発覚し、一気に令和コメ騒動に発展した経緯があります。その原因は、国内需要だけを見てきたこれまでの農政の視点に問題があると言います。
コメは日本人にとっての主食ですが、世界でも多くの国々、特にアジア圏では主食として食されている穀物であり、世界の生産量は5億トンとも言われています。その中で日本は生産能力的には1千万トン以上の作付けが可能とされていますが、生産調整によって補助金を出し、生産数量を抑えてきた経緯があります。いまは多くの外国人にとって日本食は味も質も非常に評価が高く、世界の日本食人気はますます高まっています。さらに円安の効果もあり、外国からの観光客が増えて日本食人気はこれからもますます伸びてゆくことは間違いありません。こうした千載一隅の機会に、日本の米を海外に輸出することを政府主導でもっと進めるべきではと覆います。
日本のお米は日本人の舌によって厳しく吟味され、また品種改良を重ねてつくられた芸術品とも言えるレベルです。海外のお米と価格で競争するのではなく、味と品質の面でブランド価値を付けた商品として十分に通用すると思います。これにより農家の皆さんも積極的に質の良い米をたくさん生産して、国内市場だけではなく、海外への輸出を増やすことで、もっと産業としての成長が期待できるのではと思います。次世代の人々にも魅力ある仕事として日本の米作りがもう一度見直されることをぜひ期待したいですね。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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