おはようございます。
最近、ビールやさまざまなお酒のCMで、糖質ゼロ、カロリーオフといった謳い文句が聞かれます。こうしたお酒の広告においても、やはりカロリーを気にする消費者がそれだけ増えているということの現れであると思います。糖質ゼロはその言葉の通りお酒の製造工程であるアルコール発酵の元になる糖分を、発酵後に完全に除去する工程を加えて糖質を限りなくゼロにしています。ビールやワイン、日本酒などは、発酵後にアルコールに変換されなかった糖分が少なからず残りますが、これをろ過することで除去しているわけです。ただし、ウイスキーや焼酎など、いわゆるハードリカーは発酵工程の後に蒸留工程でアルコール分を濃縮しています。この蒸留工程で残存する糖分もほとんど除去されますので、基本的に蒸留酒は元来糖質ゼロではあります。
ただし、日本では食品の表示ルールがあり、糖質ゼロやカロリーゼロと、糖質オフやカロリーオフは、厳密に区別されています。糖質ゼロというのは、お酒など飲料の場合100ml中に、糖質が0.5g以下、カロリーゼロは、やはり100ml中に、5kcal以下と定められています。また、同様の表示で、糖質オフやカロリーオフというのもありますが、この場合も飲料では、100ml中に、糖質2.5g以下、またはカロリーなら20kcal以下というルールになっています。やはり、肥満や生活習慣病を気にする人が多くなり、お酒も控えめにしたいけど、止められないといった人々の安心材料になっているのだろうと思います。
しかし、本題である「お酒はエンプティカロリー」というのは、本当に正しいのでしょうか。結論から言えば、これは大多数の人々が誤解をしている表現です。エンプティとは空っぽという意味ですが、エンプティカロリーとは、カロリーが無いという意味ではありません。ここが大きな誤解を生んでいる部分で、お酒はエンプティカロリーだから、いくら飲んでもカロリーにならないというのは大きな誤解なのです。エンプティカロリーとは、カロリー以外の栄養素が全く無い、つまりカロリーだけでその他の栄養素は空っぽという意味です。お酒以外にもエンプティカロリーと言われる食品は、たくさんありますが、炭酸飲料やスナック菓子、ケーキやアイスクリームといったデザートにもエンプティカロリーの食品は多くあります。アルコールはエンプティカロリー、つまりカロリー以外には全く栄養素が無いという意味で、たくさん飲めば当然多くのカロリーを摂取することになり、まさに太る原因でしかないのです。
糖質ゼロ、カロリーオフを正しく理解して、栄養とカロリーのバランスを考えた食生活はとても大切ですが、アルコールがエンプティカロリーというのは、もしかしたらお酒好きに都合の良い誤った解釈が、大きな誤解を生んでいるのかもしれません.アルコールにもカロリーはありますし、確かにエネルギーとして消費されやすい特性はあるかもしれませんが、だからと言って摂取カロリーから差し引いてよいということではありません。その分他のカロリーが消費されずに脂肪として蓄積されることになるだけなのです。また糖質ゼロ、カロリーオフといった謳い文句に踊らされ、結果的に飲みすぎてしまえば、それはまたカロリー以外の要因で体に負担をかけることは言うまでもありません。お酒はやはり節度のある飲み方が大切ですね。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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