NO.386 7月2日【木】=カゼインの科学=

おはようございます。

サステナの原料であり、私たちの食生活に欠かせない素材として、さまざまな形に加工され、あるいは調理され食卓を彩るミルク(牛乳)ですが、その成分は、タンパク質と炭水化物、脂質、そしてミネラルという四大栄養素がバランスよく含まれており、それだけで新しく誕生した生命の成長を支えることが出来るまさに完全栄養食品と言われています。そのミルクに含まれるタンパク質の8割を占めるのがカゼインと呼ばれるタンパク質で、チーズやヨーグルトと言った乳製品の主成分にもなっています。カゼインは牛乳のみならず、ヒトを含むほ乳類のミルクを構成するタンパク質の主成分であり、そのものが生後の哺乳期のカラダの成長をつくる重要な栄養素になっています。 

そんな大切な栄養素であるカゼインは、私たちの身体の血や肉をつくる大切な栄養源という役割とともに、もっと多くのさまざまな身体の機能調整にも働いていることが研究により明らかになってきています。昨今、機能性食品素材として注目されているものには、カゼインの研究から生まれたものがたくさん紹介されており、その可能性はますます広がっています。そして多くはカゼインが消化酵素によって分解されることで、さまざまなペプチドとよばれる物質になり、体の機能を調整する物質として働いていることが判明しています。具体的には、骨の新陳代謝を促進したり、その形成に必要なカルシウムの吸収を助けたり、また血圧の上昇を抑制したり、疲労の回復を促進し、睡眠の改善、不安と緊張をやわらげ、また認知機能の改善にも役立っていると言います 

こうしたカゼインの研究に、大手の食品や乳業メーカーがしのぎを削っており、それぞれに独自の名称を付けた素材を発表しています。例えば、雪印のMBP(骨の健康)、明治のCPP(カルシウム吸収)、森永のMKP(血圧降下)などは、その製品がスーパーマーケットの棚に、所狭しと並んでいますので、多くの人が目にしていることと思います。共通点は、カゼインを消化酵素で分解してつくられているという点と、その名称がなぜかアルファベット3文字で表示されているという点です。カゼインをいわゆるタンパク分解酵素(プロテアーゼ)で分解して、その途中の産物としてできる物質に独自の名称を付けていますが、アルファベット3文字というのは長い名称を略しているもので、3文字になったのはゴロが良かったのだろうと思われます。私たちのスターリMPCもご多分にもれず三文字です。 

ここで注目すべきは最初の共通点である、カゼインを消化酵素で分解しているという点です。つまり私たちがミルクを飲んだり、乳製品を食べるという行為に近いことを工場の製造工程で行っているということです。ミルク中のカゼインが、消化酵素により分解されて、これらのタンパク質の切れ端、つまりタンパク質の構成要素であるアミノ酸がいくつもつながった短い鎖状の物質になっている状態です。これをペプチドと総称しています。タンパク質はアミノ酸が何千個、何万個もつながった鎖状の構造をしていますが、この鎖が酵素によって切断され、アミノ酸が数個から数十個の短い鎖になった状態をペプチドと呼びます。そのペプチドが、まさに機能性素材としてさまざまな身体の機能調整の役割を担っているというわけです。 

こう考えると、カゼインはタンパク質としての栄養素の役割だけでなく、それが消化分解される途中でできるさまざまなペプチドになって、カルシウムなどのミネラルの吸収を助けたり、骨の代謝を促進したり、また血圧の調整に働いたりと、身体中のさまざまなところで、その機能を調整する役割も担ってくれていることがわかります。しかし、一方でカゼインは食品素材として好意的でない評価を一部で受けているのも事実です。カゼインに対する誤った理解が誤解を生んでいる部分もありますので、明日はそのあたりを検証してみたいと思います。 

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。詳細を表示

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