おはようございます。
喫煙と肺がんの関係はいまでこそ常識となっていますが、科学的に証明されたのは、それほど 昔のことではありません。1951年、イギリスのリチャード・ドール博士とオースティン・B・ヒル博士は、4万人もの医師を対象にした大規模な追跡研究を半世紀以上にわたって行い、喫煙と肺がんの因果関係を初めて数字で示しました。「英国医師研究(British Doctors Study)」と呼ばれる前向きコホート研究でした。
1954年には、喫煙者は非喫煙者に比べて肺がん死亡率が大幅に高いという報告を発表 し、医学界の常識を覆しました。一方で、この研究では、禁煙した年齢が若いほど、肺がん死亡および全死亡のリスクが低下することが確認され、禁煙の長期的な利益が明らかとなりました。当時は、肺がんの原因は大気汚染や排気ガスであると考えられており、たばこが直接関与していると真剣に信じる人は少なかったといいます。しかし彼らのデータは明確であり、以後は、心筋梗塞や慢性肺疾患、食道がんも喫煙と関連することが次々に示されていきました。それでも、イギリスでたばこ規制が本格化するのは1960年代になってからであり、たばこの販売量が減少に転じたのは1970年代のことでした。
また米国の「American Cancer Society」が喫煙と死亡リスクの関係を長期にわたって追跡した大規模前向きコホート研究「Cancer Prevention Study(CPS)」では、喫煙者は生涯非喫煙者に比べ、肺がんによる死亡率がおおむね20倍前後に達することが示されました。これは喫煙と肺がんが単なる相関関係ではなく、喫煙が肺がん死を桁違いに押し上げることを何十年もの追跡データで裏づけるものでした。さらにこの解析では、禁煙の効果も明確に示されています。禁煙すれば5〜 10年で、肺がんでの死亡リスクは目に見えて低下し、15〜20年でさらに大きく下がりました。ただし禁煙から30年経過しても、生涯非喫煙者と完全に同じ水準までには戻らず、わずかな「残余リスク」が残ることも報告されました。ここから読み取れるのは、「喫煙は肺がん死を劇的に押し上げるが、やめるのが早ければ早いほど確実に下げられる」という、きわめて実践的なメッセージでした。
喫煙とがんに関わる研究は、他にも欧米では多数報告されていますが、ではアジアや日本では人種も生活習慣も違う中で、こうした傾向は普遍的にみられるのか、喫煙によってがんのリスクはどれほど上がるのか、欧米人との差はあるのか、気になるところですが話が長くなりましたので、この続きはまた明日お話したいと思います。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。


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