おはようございます。
昨日につづき、WBCの話題です。プールCで1位通過した侍ジャパンは、15日準々決勝でベネズエラと対戦することになりました。ここからはトーナメント方式ですので、負ければその時点で終わりです。ベスト8までは4連勝で勝ち上がりましたが、ここから優勝まで残り3試合は、一筋縄では行かない相手ばかりです。さらに決戦の地はアメリカのマイアミです。侍ジャパンには、なんとか18日の決勝まで勝ち進んで、ぜひ連覇を果たして欲しいと願っています。
ところで、今年のWBCは地上波放送による中継がありません。予選は東京ドームで行われていましたので、時差なしで観戦ができるチャンスだったのですが、地上波もBSもテレビ放送は、試合後のハイライトを伝えるニュース報道しか見ることが出来ませんでした。これからアメリカで行われる決勝トーナメントも同じで、テレビ局による中継放送は一切予定されていません。前回は決勝でアメリカと対戦し、投手大谷がしびれるスライダーで、アメリカのトラウトを三振にとって勝利したあの感動を、日本の何千万人ものファンがテレビで共有しましたが、今回はそれがおそらくできない環境です。
理由は、WBCの日本での放映権をインターネット配信事業社であるネットフリックスが独占契約しているからです。つまりネットフリックス社の配信サービスに加入しないと見ることが出来ないという事態になっています。これまでも、スポーツイベントの放映権を巡っては、さまざまな争奪戦がありましたが、日本では地上波テレビ局が、例えばオリンピックやサッカーワールドカップが良い例ですが、NHKと民放各社が共同で費用を分担して、その放映権を獲得するというパターンが多かったのですが、今回はそれが通用しませんでした。最終的には放映権料が高すぎて、テレビ局が徒党を組んでも対抗できなかったというのです。実際、2023年のWBCは、日本の放映権は30億円程度であったといわれていますが、今回のネットフリックス社の独占配信契約は150億円と言われており、5倍に跳ね上がっていたのです。
WBCのような視聴率の取れる人気スポーツ中継でテレビ局が期待する広告収入は、1試合で4億円程度が限界と言います。したがって前回は日本が優勝まで7試合に出場できましたから、なんとか30億円は広告収入でカバーできたのかも知れませんが、今回の150億円となると全く日本のテレビ局では太刀打ちが出来ないレベルと言えます。では、ネットフリックスはなぜそこまで高額な放映権料を払えたのでしょうか。これは、テレビとインターネット配信のビジネスモデルが全く違うという背景があります。
ネットフリックスは世界で3億人以上の会員を抱え、日本でも1000万人の会員を持つグローバル企業です。2024年の世界全体の売上は390億ドル(5兆4千億円)と推定されています。しかもアジア太平洋地域での成長率は、前年比23%増を記録し、まさにうなぎ上り状態であったといいます。そしてWBCは日本では前回視聴者が4000万人に達した超目玉コンテンツでしたから、ネットフリックスにとって会員数を増やす格好の機会だったのです。WBCファン4000万人のうち、例えば500万人が新規登録すれば、たとえ1か月で解約されたとしても50億円近い新規売上が発生します。そして他のコンテンツで更にその何割かが継続的に会員になれば、150億円は十分に回収できるという目論見なのだろうと思います。
スポンサーの広告収入を主な収入源とするテレビ局のビジネスモデルと、会員による月額契約料つまりサブスクリプションによるビジネスモデルの違いが、こうした圧倒的な経済優位性を生んでいるといえます。これは従来のメディアの代表とも言えるテレビ局とインターネットメディアの大きな違いであり、スポーツ視聴に限らず、さまざまな文化や社会の構造にも影響を及ぼすと考らえれています。そのあたりの考察については、また次の機会にお話したいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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