NO.332 3月6日【金】=おいしくなったノンアルビール②=

おはようごさいます。
生活スタイルの変化もあり、お酒の飲み方が変わっって来た現代において、ノンアルコールビールの需要は高まりを見せていますが、多くの人々が認識している通り、ノンアルコールビールは、その味がビールに近づいた、おいしくなったという声が多く聞かれます。さらに「アルコール分0・00%未満」と表示されている通り、従来のアルコール分が1%未満というレベルではなく、ほぼ完全にアルコール分を含まないビールが主流となっています。その背景には、まったく新しい製造方法として「調合法」の登場があることを昨日お話しました。この「調合法」は、酵母による発酵は行わず、麦汁やモルトエキスなどを原料として、これに糖類や酸味料、甘味料、苦味料、香料などを加え、清涼飲料水のように朝護して造り上げているというのです。ビールの香味に対する繊細で精密な分析手法がどんどん進歩しており、その香味を再現するフレーバリング技術が飲料・香料業界で発展してきたことが、ノンアルコールビールのおいしくなった理由なのです。

最近ではまた、糖類ゼロやカロリーゼロ、プリン体ゼロといった機能を付加した商品も一般的になりました。アルコールだけでなく、体に負担のあるものは極力摂りたくないという消費者のニーズに応える商品群ですが、これもまた、飲料製造で培った技術をうまく活用することで、機能性と味わいの両立を実現しています。その前提として、ビール会社は「ビールのおいしさ」について、化学成分的にも感性科学的にも十分に知り尽くしているという背景があり、それを調合技術を駆使して再現しているのです。さらに、ノンアルコールビール飲料としての、ビールとはまた異なった新たなおいしさや価値を造り上げる科学や技術を熟知していることも重要な要素と考えられます。

キリンビールが、業界初の「アルコール分0・00%未満」を謳った「キリンフリー」を発売したのは2009年とお話しました。同年のノンアルコールビールの市場規模は、年間400万ケース(大瓶20本換算)程度でしたが、翌2010年には1000万ケース程度へと大きく成長しています。その後、各社の新商品が次々に発売されたことで堅調に伸び、2017年には1900万ケース程度まで到達しました。ビール類全体の市場に占める割合は2017年で5%未満と、まだ決して大きくはないノンアルコールビール市場ですが、過去8年間で5倍近くに伸びたことは注目に値する成長だといいます。

ノンアルコールビールはもともと、ビールを飲めないときの代替品、つまり”我慢商品”的な存在であるといわれてきました。休肝日をはじめ、車の運転をしなければならないとき、まだ仕事や家事が残っていて酔うわけにはいかないとき、高齢になってビールをあまり飲めないとき……さまざまな理由からアルコール分を含まないビールが要望されてきた背景があって、本物のビールに近いおいしさを楽しめる商品をつくる技術が探究されてきたわけです。一方で、さまざまな味わいの炭酸飲料が多々あるなかで、ビール風味のすっきりした商品があってもいいのではないかという要望も多数ありました。言い換えれば、ビール的な清涼飲料水としておいしいものができれば、面白い存在になるのではないかというアイデアです。

それにしても日本はさまざまな発酵食品を開発してきた歴史と、それを支えてきた味覚、フレーバーに関する繊細な分析開発技術の進歩、この二つが高いレベルで融合しているのが、食品化学の分野であり、世界的でもトップを誇れる業界であると思います。飲料のみならず多くのユニークな食品、おいしくてしかもヘルシーな製品をつくり出す技術は、まさに日本のお家芸と言われる所以であると思います。

今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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