NO.307 1月20日【火】=機能性食品を考える②=

おはようございます。
先週からの続きです。1984年当時の文部省による特定研究に端を発し、1990年代には栄養や美味しさというそれまでの食品の価値に加えて、食品には第三の機能として、生体防御や、疾病の防止、疾病の回復、体調リズムの調整、老化抑制と言った生体調整機能があることが明らかになり、機能性食品という食品の新しいジャンルが生まれました。そして1991年には、保健機能食品という画期的な制度がスタートし、特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品という新しいカテゴリーで、大手食品メーカーを中心に多くの機能性食品と呼ばれる製品群が市場に登場します。しかしながら、先週も述べた通り、この保健機能食品制度は、国民の健康増進と生活習慣病などの予防に向けた、消費者の食生活に対する意識の変容、購買行動の変化にはつながりませんでした。そしてその原因は、厳しすぎる認可制度と、機能の表示についても制約が多く、アピールしたい機能をストレートに表現できなかったことにありました。

その後、この食品のもつ生体調整機能については海外でもさまざまな研究が進みました。日本同様に食品での健康増進、疾病予防を目的とした製品群が市場にどんどん登場するようになり、医療費の高い欧米の国々では大きなマーケットを形成するに至っています。機能性食品の先駆けであった日本が、結果的には海外の国々に遅れをとることになっています。そしてようやく2015年にアベノミクスによる規制緩和の一環として、保健機能食品制度にもメスが入ることになります。こうして誕生したのが機能性表示食品と呼ばれる新しいカテゴリーです。名前から見れば、あまり変わり映えのしないように思いますが、従来のトクホや栄養機能食品とは考え方が全く違う代物です。

まず、トクホなどは国が認可を行う制度でした。しかし機能性表示食品は、国は認可をせず、届出を受理するスタイルになりました。これは米国の制度に近い考え方で、自己責任が基本です。つまり行政は認可を出す立場ではないので、内容を審査することはせず、ただ受理して公表するだけというスタンスです。したがって製品の機能や表示内容、その科学的根拠についても、届出をする当事者の責任において評価して確認することを義務付けているのみです。それが届出の書面に網羅されていれば、自動的に受理する仕組みになっています。その結果すべての責任はメーカーや販売者に課されるので、行政は一切の責任を負わないという仕組みで運営されているのです。

自己責任という新しい考え方でスタートした機能性表示制度ですが、その運用にあたってはメーカーや販売者のみならず、窓口となった消費者庁の担当者側も、新たなルールに馴染むのには時間がかかったようです。結局従前のトクホに準ずるような運用と対応となり、申請のハードルは下がったもののあまり変わり映えのしない製品が続きました。やはり自己責任という重圧がメーカー側を躊躇させた部分はあったのかと思われます。ところが最近になって潮目が変わってきた感があります。大手メーカーがこぞって大胆な表示を掲げた製品を発売するようになりました。まず先陣を切ったのがキリンの乳酸菌飲料です。「免疫」という、従来ではタブーとされた医学用語を商品名に付けて表示したのです。これまでは薬機法違反を指摘される表現が、まかり通るようになったのです。

キリンにつづけとばかり、現在では多くの食品メーカーが、薬機法のタブーに挑戦するような製品を多く発表するようになりました。具体劇な例を挙げてよりくわしく説明し、私たちのサステナへの影響についても考えたいと思いますが、この続きはまた明日お話したいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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