おはようございます。
日本の慢性腎臓病患者数が2000万人以上だと推定されています。これは、成人の5人に1人という数字です。加齢とともに減少し、再生することのない腎臓。365日24時間休むことなく、内分泌系ネットワークや神経ネットワークを通し、脳や心臓、腸など体の各器官のはたらきを裏で支えています。再生医療でもっとも実現が難しいといわれる臓器を、どうすれば健康に維持することができるのか?腎臓専門医・髙取優二先生の「腎臓の教科書」(講談社)から、人生100年時代を腎臓と付き合っていくための正しい生活方法について考えます。
腎臓に悪影響を及ぼすものとして、近年、日本でも注目されているものがリンです。リンは必須のミネラルです。代謝などでも重要な役割を担っていますし、カルシウムとともに骨格を形成するはたらきもあります。ところが、リンの過剰摂取によって血中のリン濃度が上昇すると、カルシウムとリンのバランスが崩れ、骨から血液中にカルシウムが放出されます。そのため、骨のカルシウム量が減少する骨軟化症などのリスクが高まります。また、動脈硬化を引き起こす可能性が高まることでも知られています。リンには、食品にもともと含まれている有機リンと、食品添加物に使われる無機リン(リン酸塩)の2種類があります。無機リンよりも有機リンのほうが腸から吸収されにくく、有機リンの中でも植物性の食品に含まれているリンはあまり吸収されません。
有機リンは、赤みの肉や牛乳にも含まれています。クリームシチューやクリーム系のパスタ、グラタン、ドリア、ピザなど、肉や乳製品が使われている料理は多いので避けるのは非常に大変ですが、前述のように有機リンは腸での吸収が、無機リンに比べて少ないので、偏食や食べ過ぎに気をつければそれほど大きな問題ではないと思います。サステナを1日2包程度は、リンを気にするレベルではないということです。
一方で食品添加物の無機リンについては、ハム、ソーセージ、ちくわ、かまぼこなどの加工食品に多く含まれています。無機リンは水に溶けやすい性質があります。この性質を利用すれば調理の過程で無機リンを減らすことが可能です。ハムやソーセージなどはサッと下茹でをします。ソーセージは、皮に切れ目を入れてから茹でるとよいでしょう。ちくわやかまぼこも、料理に入れる前に下茹ですることをおすすめします。茹で汁には無機リンが含まれるので、捨ててください。インスタントラーメンにも無機リンが多く含まれています。食べる場合には、麺の茹で汁は捨てて別のお湯でスープを作ることをお勧めします。加工食品に頼らない食生活を送りたいものですが、「あれもダメ」「これもダメ」と細かく制限すると、食べる喜びがなくなってしまいます。ですから、多少はゆとりをもって、無機リンが体内に入ってくる量をコントロールする賢い食べ方を心がけましょう。
そして腎臓のケアにはさらに大切な、塩分・糖質の摂り方を工夫することが重要です。やや長くなりましたので、この続きについてはまた来週お話したいと思います。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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