おはようございます。
このテーマについては、すでに何度かお話をしていますが、改めて復習です。私たちの腸内には大腸、小腸合わせて1000種類以上の細菌が500兆個以上棲息していると言われています。そしてその種類や数は、個人によってあるいはその健康状態によってもさまざま変化することが知られています。顕微鏡で腸の中を見ると、1000種類以上の細菌が棲息している様子が植物が群生しているお花畑のようであるということから、腸内フローラとも呼ばれています。私たちが病気に罹ると、健康な人とは異なった細菌組成や構成菌種からなる腸内細菌叢が形成され、これを腸内フローラの変容(ディスばイオシス)といいます。肥満や糖尿病などの代謝系疾患、アレルギーや炎症性腸疾患などの免疫系疾患、多発性硬化症や自閉症、うつ病等の神経疾患では、しばしばこの腸内フローラ変容(ディスバイオシス)を認めます。この変容が私たちの腸管細胞に作用して、病気を慢性化したり寛解したりするといわれています。
免疫ミルクは私たちの健康にとっては好ましくないいわゆる悪玉細菌たちに対する免疫抗体(IgG、IgA)と生理活性物質を含んでいます。もちろん、経口摂取で取り入れた抗体は、大部分は腸に達するまでに消化されてしまいますし、またウシ由来ですので、ヒトの体内に入って免疫力を発揮することは出来ません。しかし、消化を逃れた一部の抗体は、腸管でこれらの細菌と結合すると考えられます。免疫ミルクには先に述べた腸内フローラ変容(ディスバイオシス)を改善し、腸内環境を良好な状態へ誘導する作用があります。そのことを証拠立てる臨床事例として興味深い研究報告をご紹介します。
2001年7月に開かれた第一回国際プロバイオティクス学会で発表された「健常女子における免疫ミルクの腸内フローラに及ぼす影響」と題する研究報告です。健常女子学生60名を対象に、免疫ミルクタンパク製品(バナナ味ドリンク顆粒)を用いて、排便回数および便性状の影響を検討したものです。試験は11週間(77日)を7期に分け、1日20グラム(1袋)を3週間摂取させる方法で影響を見るという方法をとりました。その結果、摂取期と非摂取期の比較において、摂取期にはビフィズス菌の優位の増加が認められ、ウェルシュ菌は飲用後に有意に減少することが確認されました。また、飲用後の排便pH、糞便水分量の増加、アンモニアの有意の変化が認められたのです。こうした結果から報告は次のように考察しています。
免疫ミルクはミルク抗体を含む抗体食品であり、乳酸菌やオリゴ糖による整腸作用とは異なる作用機構が考えられる。ミルク中の抗体はIgGが多く、IgGは加熱殺菌や消化酵素に対する抵抗性を有しており、悪玉細菌に直接的に作用し排除することで腸内フローラを整えると考えられる。本研究で免疫ミルク抽出物は、対照食摂取よりも腸内フローラの改善を促したが、これはミルク抗体が改善を促したものと考えられる。
まさに免疫ミルクが、乳酸菌やオリゴ糖などとは異なり、直接的に悪玉菌を排除することで腸内フローラを改善しているという、動かぬ証拠となる臨床事例であり、悪玉菌に直接作用するという点で、免疫ミルクにしかできない差別化のポイントにもなっています。野本亀久雄名誉教授をして、「これしかない!」と言わしめたその所以がここにあるのではと思います。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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