おはようございます。
先週からの続きです。野本亀久雄九大名誉教授が世界に先駆けて提唱し、従来の免疫学の概念を大きく広げ、現在は医療技術や医薬品開発の基本概念となった、生体防御論ですが、この学問は医学の範疇を超え、人間社会や地球環境を論じるための理論にも枠を広げており、野本教授は新たに生存環境科学と名付けて、現在もその研究に勤しまれています。
日本はもとより世界はいま、高齢化という大きな社会問題に直面しており、それは人口問題のみならず経済や社会のあらゆる場面において、これまでの社会インフラを行き詰らせ、機能不全に至らせたり、システムそのものを崩壊させる危機を迎えようとしています。その現象は、日本をはじめ先進国ほど顕著ですが、人口が増え続けている開発途上国でも、数十年後、あるいはもっと早い段階で同じ問題に直面することが予想されており、高齢化対策が世界の未来を決めると言っても過言ではない大問題です。
野本教授の生体防御論は、社会においてもその営みを守るしくみは個体の命を守るしくみと同じであると教えています。つまり社会の生体防御にも、多層的連続的な防衛ラインが必要であり、これが多段階に機能していれば、社会も経済も、ひいては国民の生活も健全な形で維持ができると言います。社会として生命を守るしくみは、まさに医療と社会保障に代表されるシステム、社会インフラであり、これが生体防御論に照らして考えると、医師や病院という最終防衛ラインしか機能していないことが問題を深刻化させていると言います。
医師や病院は、社会の命を守る最後の砦であり、日本では健康保険制度などのインフラに多額の血税が注がれていますが、結果として病気が重症化してからの対応になりがちで、火災でいえば初期消火、あるいは未然の防災対策があまりに人任せで、まったくシステム化されていないことが、最大の問題であると指摘します。つまり個体で言うところの、外敵を防ぐ皮膚や粘膜などの第一防衛ライン、そして万一体内に侵入されてもすぐに対処できるマクロファージ、好中球と言ったパトロール部隊で構成する第二防衛ラインが、社会においては機能していないのです。
そして、すべては病気が起こってから、外敵が体の深部まで侵入し体の組織が破壊され始めて、ようやく病院に駆け込む、医師にかかるということになります。ここは生体防御の第三防衛ラインであり、増殖し体内組織を蝕みつつある敵を、リンパ球などの免疫細胞が総出で対応する、本土決戦になっています。これには当然ながら、時間も体力も消耗することになり、ここで負ければゲームオーバー、つまり死を意味する最終決戦です。
必要なことは、社会においても第一防衛ライン、第二防衛ラインをきちんと構築し、これを機能させることです。まさに転ばぬ先の杖、病気になる前に病気にならない健康づくりを、社会としてきちんと考え、そこに有効な施策を進め労力をかけても、結果的に最終決戦で失われるコストに比べれば、必ずおつりがくるということです。そしてその第一防衛ラインとは、国民ひとりひとりの健康意識です。自分の健康状態を正しく把握し、対処できる知恵と知識です。これには教育が欠かせません。学校教育に加えて保健の仕組みが必要だと言います。
そして第二防衛ラインは、病院に行かずとも、自分の判断で病気になる前に体調を整える手段、ツールの開発と提供です。ここには、いわゆる大衆薬などの拡充利用も含まれますが、それでもやはり医薬品となると副作用もあり、薬剤師や医師の関与なしでは限界があります。本来の第二防衛ラインは、もっと安全で専門知識なしでも利用ができ、しかもきちんと結果が出る有効性も兼ね備えたものが求められます。これが野本教授が考えた食品の安全性と医薬品の有効性を併せ持つ第三のカテゴリーでした。しかし現実は以前もここで述べた通り、日本で制度化は実現していません。しかし私たちの免疫ミルクは、まさにこのカテゴリーに位置するものであり、野本教授をしてこれしかない、その後もこれに匹敵するものは出てこないと言わしめた、本物なのです。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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