NO.192 5月22日【木】=どこまで続く?令和コメ騒動=

おはようございます。
「米を買ったことがない」発言で、昨日とうとう辞任に追い込まれた江藤農水大臣ですが、備蓄米がすでに30万トン以上市場に放出されたにもかからず、米の価格高騰は収まっていません。5キロの流通価格は、いまだ上昇を続けており最新の発表では、4,268円と過去最高を更新しています。石破首相は昨日の党首討論で、3,000円台でなければならないと、価格の目標値に具体的に言及しましたが、達成の時期については明言を避けました。また、米の増産についても同意を示し、これまでの減反政策の方向性が大きく見直されることになりそうです。

しかし、3,000円台とは言うものの、現状の市場平均価格は4,000円をはるかに超えており、政府は流通の目詰まりが原因と言いますが、30万トン以上の備蓄米が放出され、今月以降も月間10万トン単位で放出を続けるというのに、なぜ価格が下がらないのか。さまざま原因が言われていますが、何より落札された価格が高ければ、供給量が増えたところで価格は下がりようがないのは、誰が考えても分かり切ったことです。これまでの31万トンは政府買取時の価格より、ほぼ倍近い価格で落札されていると言いますから、結局備蓄米も高い価格でしか、売れない事情が見えて来ます。自民党小野寺政調会長の、「政府がもうけてどうするんだ!」という指摘に、あまりにも思慮のない行き当たりばったり施策の末路が見えました。

遅きに失した感はありますが、石破首相は江藤大臣の更迭と、新しい農水相に小泉氏を指名し、コメ騒動の解決沈静化を指示しました。小泉大臣は早速備蓄米の入札を一時中止し、随意契約に切り替えると発表しました。これにより、備蓄米を適正で十分に安い価格で業者に売り渡すことが可能になりますが、これが市場の平均価格を押し下げ3,000円台を実現できる価格レベルを達成できるかのカギになりそうです。

しかし、考えてみれば年間600万トンとも言われるお米の国内需要に対して、一時的な需給バランスの逼迫により価格高騰を招いた今回の令和コメ騒動ですが、昨年の新米が例年通りに収穫されても価格は下がらず、逆に業者による奪い合いが続き、その後も高騰が続いてきました。新米価格も結局高い価格で取引されており、さらに政府から出された30万トンを超える備蓄米も以前の倍近い価格で市場に放出されたわけで、結果として市場には高い米が有り余っている状況と考えるのが妥当です。店頭にお米がないわけではなく、安い米がないだけと考えるべきです。

流通の目詰まりを解消すると言いながら、政府は高い備蓄米を大量に流して流通で滞っている価格の高い在庫を増やしただけと言えます。そしてこの高値の在庫は当分の間はけないでしょうから、新たに備蓄米を安く放出したところで、業者は今回安く仕入れられた備蓄米をそのまま安値で販売することはしないと考えるべきです。高い在庫価格を多少薄める作用はあるかも知れませんが、すでに流通段階ではお米は在庫過剰になっているはずですから。さらに今年は多くの農家が作付けを増やして対応していると言いますから、この秋の収穫期には一気にお米が過剰供給になり、また市場が混乱する危惧もあります。

結論として、備蓄米の放出が続いてもおそらく秋まではお米の市場価格は高止まりが続くと思われ、2025年の新米が出てきた段階で供給過多になれば、一気に価格が暴落する懸念も出てきました。この先、米農家はさらに厳しい経営を迫られることになれば、ますます離農、廃業が進みかねません。日本の農政、主食であるお米の政策は、私たちの食糧自給の最後の砦と言っても過言ではない、大事な問題です。自分事として、国民全員が考えるべき問題だと思います。

今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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