おはようございます。
昨日、バチカンのローマ教皇庁がフランシスコ教皇の死去を発表しました。享年88歳、脳卒中とそれに伴う心不全が死因とのことでしたが、その前日には復活際(イースター)の式典のためサンピエトロ広場で開かれた行事に出席し、マイクであいさつされていたと言います。その姿を見ていた信者たちには、にわかに信じがたい大変悲しいニュースが世界を駆け巡りました。
ローマ教皇は、ローマカトリック教会の最高位にある聖職で、13億人とも言われる世界のカトリック信者の頂点に立つ存在です。カトリックの総本山であるバチカン市国にある、ローマ教皇庁を統括し、世界に散らばる枢機卿やすべての教会の司教たちの任命権をはじめ、行政の人事権を司る立場にあります。故フランシスコ教皇は、アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれ、2013年に前任のベネディクト16世の辞任を受けて、南北アメリカ大陸および南半球からの初めての教皇として、その職に就いた人物です。
フランシスコ教皇の活動には「初めて」が多く、協会に改革を導入することを止めなかった人との評価が一般的ですが、伝統主義の信者の間からも大変に人気があったと言います。イタリア、イギリス、フランスなど、ヨーロッパ各国の首脳がこぞって追悼のメッセージを公表するなど、その偉業を称えつつも悲しみを悼む声が世界に広がっています。平和への祈りを最後まで示し続けたその存在は、世界中のキリスト教徒はもちろん、多くの民衆の心に刻まれ続けることであると思います。
フランシスコ教皇の遺体は、23日にはサンピエトロ大聖堂に移され、最後のお別れに信者たちが訪れることができるよう配慮されるとのことですが、この後の流れについては、枢機卿たちが今日開かれる会議を経て、正式に発表されるようです。新しい教皇を選ぶ選挙、コンクラーベは、教皇の死後15日から20日後に行われる見通しで、新しい教皇に誰が選出されるのかについても関心が高まっています。
この教皇選挙コンクラーベは、これを題材とした映画も公開されており、まさにタイムリーな話題になっています。コンクラーベとはラテン語の「鍵と共に」という意味で、ミケランジェロの「最後の審判」が描かれたシスティナ礼拝堂の密室で行われる教皇選挙のことです。投票権を持つ枢機卿は世界に120名ほどいると言われていますが、その出席者の3分の2の票を得るものが出るまで、何度も繰り返し投票が行われる仕組みで、選挙が終わるまでは全員外出も許されず缶詰状態が続くそうです。まさにコンクラーベならぬ、「根競べ」ですね。
投票のたびにその用紙は焼却されますので、礼拝堂の煙突から煙が上がることで投票が行われたことを外部に知らせますが、その煙の色で投票結果を示すそうです。黒い煙は、新教皇がまだ決まらないこと、そして新しい教皇が決まると、白い煙を焚いて外部へ合図することになっています。この白い煙が出れば、直後にサンピエトロ大聖堂の鐘を鳴らして正式な新教皇決定の発表になります。その後、大聖堂の広場を見下ろすバルコニーにおいて、新教皇のお披露目となるそうです。まさに歴史を感じる儀式に期待しましょう。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

コメント