おはようございます。
人生100年時代と言われて久しい現在、高齢者の人口は3,600万人をこえ、全体の3割に到達しています。総人口の減少と相まってこの割合は今後もさらに増加してゆくと見られ、政府の予測では2070年には、総人口が9000万人を割り込み、高齢者の割合は全体の4割に到達するとされています。まさに二人に一人が高齢者という社会が目前に迫っているということです。当然ながら、いまの年金や医療と言った社会保障のしくみはもちろん、さまざまな社会のインフラもこれに合わせて大きく見直し、再構築を図って行かねばならないことは明らかです。生活スタイルが変われば、水道・電気・通信をはじめ、道路や公共交通なども、利用者のニーズに合わせて変わってゆくことが求められています。
そして一番の変化は、労働に対する人々の捉え方ではないかと思います。この数十年で定年という言葉の持つ意味が大きく変わってきたことは、誰もが感じているのではないでしょうか。定年という本来の意味は、企業や公務に勤める正規雇用者が、一定の年齢に達したら退職・退官する場合のその年齢のことであり、以前は60歳というのが一つの区切りとして考えられてきました。定年・退職して以降は、貯蓄と年金で悠々自適に隠居生活というのが、かつての高齢者が思い描く老後生活のイメージでした。しかしいまはそのイメージが大きく変わっています。定年のラインが60歳から65歳、さらに70歳まで引き上げられようとしています。実際のところ、高齢者の入り口である65歳を超えて働き続ける人々が増えており、65歳~69歳の就業率は52%を超えています。(令和6年内閣府高齢社会白書)
高齢者になっても働き続ける人が半数を超えているというという現実があります。定年後も働く理由を、ある調査会社が調べた結果、現在のシニア層の仕事観、生活スタイルが見えて来ました。
働き続ける理由の1位は、生活費を得るため:54.6%、2位は、社会とのつながりを保つため:43.0%、そして3位は、身体的健康を維持するため:42.1%でした。(複数回答あり)やはりお金のためというのが1位に来るのは、老後2,000万円問題でも話題になりましたが、年金だけでは生活が赤字になるという現実が反映されている結果であると分析します。しかし、それに匹敵する割合で、社会とのつながりや健康維持という理由も非常に高いことがわかります。こうした働く動機は、裏を返せば老後に対する不安要素の現れとも捉えることが出来ます。つまり、老後に感じる不安の三大要素が、経済不安、社会的孤立、そして健康不安ということになると分析できます。
平均寿命が、男性81歳、女性は87歳という世界一の長寿国になった日本ですが、果たして長生きが幸福な人生をもたらしてくれるのでしょうか。長生きは必ずしも幸福の充分条件ではないと考える人がいまや多いのではないでしょうか。長生きすることに対する不安から、多くの人が定年後も働き続ける社会になってきています。もちろんそれを否定するつもりはありませんが、同じ働くのであれば不安の解消のためではなく、もっと積極的に、前向きなイメージを持って働ける環境、あるいは社会システムの構築に私たちは努めたいと考えています。悠々自適に隠居生活を過ごすことが難しいなら、高齢者になっても自分のペースで仕事を続け、社会とかかわり続けることで、健やかに豊かな老後をおくることができる、それが幸福な人生のひとつのあり方として、私たちはスターリ事業を推進して行きたいと考えています。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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