NO.154 3月6日 【木】=老後2000万円問題②=

おはようございます。

年金、健康保険、介護保険、失業保険と言った社会保障制度に、来年度は38兆円を超える予算が計上され、衆議院で可決されました。この後参議院での審議を経て、年度内には成立の見通しとなっています。38兆円という予算は過去最大であり、一般会計予算115兆円の3分の1にあたる金額です。これだけの国家予算をつぎ込んでも、年金も保険も私たちが安心して老後を過ごせるレベルには無いというのが、日本が直面している超高齢社会の現実です。そして今後も加速する少子化と人口減少によって事態は好転するどころか、ますます悪化することは火を見るより明らかです。

日本では65歳から高齢者というカテゴリーに分類され、年金の支給が始まりますが、その制度設計は半世紀以上前の高度成長期に作られたものであり、人生100年時代になって全く実態にはそぐわない代物になりつつあります。もちろん政府もそれは重々承知なのでしょうが、高齢化と少子化が予想以上に急速に進んできたため、ほころびを都度ごとに修正をするのが精一杯で、根本的な見直し作業がずっと先送りされたままここまで来てしまっている感が否めません。

そして2019年の金融庁ワーキンググループが、老後資金2000万円不足問題を独自の試算から提言し、世間の高齢者世代に大きな波紋を投げかけことになりました。しかしながら、その計算根拠にはあまり現実的ではない設定があり、モデルケースとは言え一般的ではないとも指摘されています。具体的には65歳の夫と60歳の妻が無職で年金だけの収入で暮らせば毎月5.5万円の赤字となり、この生活を30年続けるには約2000万円が不足するというものでした。しかし定年後も何かしらの仕事に就いている高齢者は多く、まったく老後も年金以外に収入を維持する人のほうが現在は多くなっています。高齢者は労働収入がゼロというのは現実とかけ離れています。実際に何歳まで働くかという問いに対して、70歳までが23%、75歳までが19%、80歳までが8%、働けるうちはいつまでもが37%(2019年内閣府調査)と、9割近い人たちが老後も働くことに前向きであると言えます。

さらに、健康であることも高齢者の新しい傾向です。いわゆる健康寿命は年々延伸しており、身体的にも働ける期間は延びているのです。この傾向は日本のみならず世界でも共通の認識になりつつあります。長寿社会は長く働く社会であるということは、実は20年近く前から繰り返し言われてきたことでもあります。そして健康寿命以上に働く能力自体も年齢による低下は少なくなっている実感があります。ある調査によれば、いわゆる処理能力や論理的思考力は、低下がみられても、対人能力は経験によって高齢期にあっても伸び続けるという報告もあります。

結論として老後2000万円問題は、頑張りすぎない程度に仕事を持って生涯現役を通すことが出来れば、なんら心配も不安も必要ないということになります。問題は、生涯現役を貫ける健康と、ずっと続けられる仕事を持てるかどうかであり、その意味で私たちのサステナはそのすべてを叶えてくれる頼もしい味方であると言えます。

今日もサステナ飲んで頑張りましょう。

よろしくお願いします。

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