NO.152 3月4日【火】=トランプというアジテーター②=

おはようございます。

このお話、先週からの続きです。トランプ大統領というアジテーター(大衆を政治的な意図をもって行動を起こすよう促す人、扇動者)によって、これまでの世界の常識やルールがどんどん破壊され、混乱と混沌が広がっています。まさに世界をかき回す存在として、毎日ニュースの話題に上らない日はありません。そしてそれは米国に限ったことではなく、世界中のあらゆる国々で、長年かけて形作られてきた、安全保障の枠組みや社会保障制度、そして民主主義の基本的な概念すらも揺らいでいるといっても過言ではないかもしれません。もちろんトランプ氏を扇動者と表現しましたが、彼ひとりがそれを招いたのではなく、世界に大きなうねりが起きている中で、その象徴的な存在として、このタイミングで現れたに過ぎないのかもしれません。

先週は、その大きなうねりとも言える世界の流れを、カオス(混沌)に向かう、いわば自然の摂理であると述べました。すべての生命は、このカオスに向かう自然の摂理に抗うことによって、命を繋いでいると説明しました。形あるものは必ず壊れるという定めであり、有機から無機、秩序から無秩序、自然の流れは必ず最後はカオスに行き着く運命なのです。その流れに日々抵抗しながら、無機物から有機物を生み出し、無秩序なところに秩序を作り、そしてそれを維持し繋いでゆくために、自然と葛藤しながら存在しているのが、私たち人間を含めたすべての生命であると考えます。そしてそれは一つひとつ個体から、種としての集団、社会としての集合体においても同様の営みが何万年にも及ぶ長久の時間の中で、築き上げられてきたのだということが歴史を見ればわかります。

自然と生命の限りない闘いのの中で、これまで生命の育みは、その行く手を阻む自然の脅威に何度も何度も存在を脅かされ、危機を経験してきました。そしてそのたびに大きな犠牲を強いられながら、なんとかこれに耐え生き延びることで進化し、困難を乗り越えてきたのだと言えます。もちろんその途上では、絶滅した集団も多く、死に絶えたほうが圧倒的に多数であったのかも知れません。その観点で見れば、いま私たちの社会に起きている事象もすべて、自然のなせる業と捉えることでできるのではと考えます。地震や津波と言った天変地異はもちろん、新型コロナウイルスやあらゆる病原体、そしてその延長に私たち人間の仕業による原発事故や、環境破壊による公害や異常気象、さらに戦争による破壊と殺戮など、生命の存続を脅かすものは、例を挙げればきりがなくなります。そしてこれらすべての背景に、自然の摂理によってカオスに向かおうとする大きな力が働いているとすれば、いま私たちの生命は、自然から大きな反撃を受けているのかも知れません。

生命とその存続を阻む自然という対峙でお話しましたが、生命も実は自然の一部であり、圧倒的に自然の前では生命は吹けば飛ぶような小さな存在でしかないのだと思います。いつか人間をはじめ生命が自然に抗いながら、進化や発展を遂げてきたことを、さも自然に打ち勝ってきた、自然をなんとか制御する力を身につけたと、勘違いしてきたのかも知れません。それはまさに驕りであり、傲慢の表れでしかなかったと今こそ反省すべき時なのだと思います。私たち人間も含めすべての生命は、自然に生かされているのであり、その畏敬の念を忘れた振る舞いにこそ、私たちは今一度自身を顧みて考えを改める必要があるのではと思います。

今日もサステナ飲んで頑張りましょう・

よろしくお願いします。

コメント

  1. 中川原雅夫 より:

    人類は道具を操るようになって以来食や水を求めて領土紛争へと拡大して来ました。アフリカや南米にも数知れない独裁者や稚拙にも不条理な発言を大声をだして威圧するアジテータは国会質問中にも見られます。問題は世界唯一の強国に突然選挙で選ばれたトランプのババ抜きで引いてしまった禍根に耐えなければならない事ですが、此れを切っ掛けに国連の抜本的改革が重要になるのでは無いでしょうか。安全保障理事国のロシアのプーチンに逮捕状が出ていても
    プーチントランプ間の隠された土地取引感覚の仲間意識なのか、KGBとの関わりが有るのでロシアベッタリの姿勢を崩せないのか何れ歴史があばくでしょう。バンス副大統領の幼稚な発言は多くの自国民の落胆を誘ったのでは無いでしょうか。EU首脳や国民もウクライナ支援強化に動いたのは世界の常識は未だ捨てた物では無いと言う事を感じました。
    カオスの中に落ち込み宗教者が言う所の創造主が人類をサタンが滅ぼす預言通りになっていると…違和感を感じます。自然界の偉大な復元力に畏敬の念を抱き小さな出来事にも愛情深く見守って参りましょう。