NO.151 2月28日【金】=トランプというアジテーター=

トランプ氏が米国47代大統領に就任して、まだ1か月余りですが、すでに111本に上る大統領令に署名し(2月18日現在)、公約の一部であった関税においても、一律25%という高い輸入関税を実施するとして、世界の貿易経済に大きな波紋を広げています。また一方では多様性を否定し、自ら「常識の革命」と銘打って、これまでの基本的人権にもとづく平等や公平性を担保するための仕組みやルールを片っ端から破壊しています。移民やマイノリティーに対する庶民の感情を、巧みに利用し扇動する手法は、まさにアジテーターそのものです。(アジテーター:本来の意味は攪拌する機械のことを指すが、転じて大衆を政治的な意図をもって行動を起こすように促す人、扇動者)

トランプは米国大統領に返り咲くことで、いままさに世界をかき回している存在です。こうしたトランプ氏の政策に対し、米国内でも大きな反発がいま巻き起こらんとしているようです。首都ワシントンや、ニューヨークでもトランプに反発する人たちが終結し1万人を超える大規模な抗議デモが起きていると言います。米国初代大統領であるジョージ・ワシントン氏の誕生日を祝う、プレジデントデイ(2月17日)には全米のいたるところで、NOT MY PRESIDENT(あなたは私の大統領ではない)と銘打った抗議デモが一斉に開催されたと言います。まさに米国内の世論も真っ二つに割れ、混乱と混沌が広がっているようです。

混沌に向かおうとしている世界、それはある意味自然の法則なのかも知れません。自然科学の世界では、すべての物体、物質は必ず破壊される方向に不可逆的に進んで行きます。形あるものは、時間の経過とともに必ず壊れてゆく定めとされています。すべての帰結先はカオス(混沌)なのです。それが自然の摂理であり、神の見えざる手による御業なのだと言います。しかし、人間を含めたすべての生物はその摂理に抗うことで、命を紡いでいます。カオスに向かう自然の摂理に抗うように、外界から独立した空間を作りそれを細胞という器にして繰り返し再生させることで生命を誕生させ、ここまで進化を遂げてきたと言えます。生命とは一言で言えば、カオスに向かう自然に抗う活動と言ってもよいかもしれません。

一つ一つの生命、個体でみればカオスに向かう力は、まさに生命活動を妨げる力です。つまり生命を死に向かわせる力であり、自然界のすべてのものがその役割を担っています。人間にとってみれば、ウイルスや細菌と言った病気の原因だけでなく、さまざまな有毒物質や、自然がもたらす災害もそうです。そして一番確実で避けられないものは、時間です。経時的な変化、つまり老化はすべての生命に対し平等にやって来ます。個体はその命を終えれば、最終的には土に還ります。帰結するところは無秩序なカオスです。

いま述べたのは一つの生命、個体の話ですが、人間は社会生活を送る生命体です。社会を一つの生命活動体と考えると、人間社会も、放っておけばいずれカオスに帰結する運命なのだと考えます。カオスとは無秩序な世界と言い換えてもよいと思いますが、実はそれが自然の秩序なのだとも言えます。すこし哲学的な話になってきましたが、もう少ししっかりお話したいので、続きは来週にしたいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

コメント

  1. 中川原雅夫 より:

    問題は心が痛みます。記載された内容に毎回のことでは有りますが多いに賛同いたします。やはり歴史観の視点がいるでしょう。日本は4面海に囲まれ他国からはせめこまれず、他国をも攻めず、四季があります。まさに日本はノアの方舟なのでしょう。沖縄から北海道まで凡ゆる生物や海洋物に恵まれ黒潮と親潮の混じり合いで雲が湧き大量の雨が水の恩恵をもたらし田畑を実り豊かにします。凡ゆる神々が鎮座するのでしょう。従って3,000有余年の万世一系の天皇家との調和を有する調和の国なのですね。正にノアの方舟なのでしょう。マイノリティもマジョリティも包容して短所を覆い尽くす長所の大きな輪に支えられています。トランプ大統領を責めても致し方ない国民性がロシアとか中国と同じ様に支えているのですね。で有るとすれば時間は掛かっても世界の有識者がアメリカ国民に問うことが大事だと思います。国民が世界の声に耳を傾けてくれる事を祈るのみです。ウクライナやガザの悲惨者を救うべく立ち上がるべきです。

  2. 岩本裕子 より:

    賛同致します。
    私達は宇宙船地球号に乗っている乗組員なのです。そして人体の一つ一つなのです。
    その中で自分の益しか考え無い、しかも弱い国から搾取するなどという事は 子供じみた虐めでしかありません。
    目が耳は劣っている必要無い!などと言う事はあり得無いのです。小指1本でも貴重で、大切にすべき存在なのです。
    世界は今邪悪な悪魔に導かれている様に感じます。しかしこの状態が何時迄も続く事は無いでしょう!
    自然界は、あらゆる法則、知恵、芸術的センスが詰まっています。もしも:地球を作った創造者が居るとすれば、人間の愚かな支配を 理由が有って見守っていて、しかし然るべき時に、終止符を打たれる時が来るはずです。
    私達にできる事は、『剣を取るものは剣によって滅ぼされる』と言う有名な言葉がある様に、同じ穴のムジナになる事なく、窮地に立たされて居る人々に温かいてを差し伸べ、言葉だけでなく実際的の助けを与える事だと思います。

  3. 松元 純子 より:

    宇宙には、神の秩序があると思います。
    秩序が崩れると、異変が起こる……と。

    今まさに秩序が破られている状態。身体も、自然界も、政治も、経済も……等々全て秩序の乱れとおもいます。