おはようございます。
東京都健康長寿医療センターとヤクルト中央研究所による共同研究結果が昨年公表されましたが、非常に興味深い内容でしたので、ここでご紹介したいと思います。今回の研究によって明らかになったのは、発酵乳製品の習慣的な摂取が、高齢者の歩行速度低下の抑制に役立つ可能性があること、日常的な運動との組み合わせで効果がさらに高まる可能性があることでした。
手軽な身体活動である「ウォーキング」は健康増進に役立ちますが、これまでの研究によって歩行時間だけでなく歩行速度も同様に重要であることが分かっています。特に高齢者では、加齢に伴う歩行速度の低下が、転倒や、日常生活に必要な動作を行う能力の低下のみならず、死亡リスクの上昇にも関連することが示されています。つまり高齢期の死亡リスクに直結している歩行速度の低下を、発酵乳製品の習慣的な摂取によって抑制することができたので、それは長生きにつながるという三段論法ではあります。
気になるのは、乳酸菌飲料やヨーグルトといった発酵乳製品の摂取がなぜ歩行速度の低下抑制になるのか、そのメカニズムですが、残念ながらそこまでは本研究では明らかにはなっていません。今回の研究は群馬県中之条町の住人のうち65歳から92歳の高齢者が参加して行われたので、中之条研究と呼ばれていますが、男性224人、女性357人の合計581人のデータを分析しています。歩行速度と、乳製品の摂取頻度との関係については、男性の方が女性より顕著な相関がみられたと言います。歩行速度に影響する要因としては筋肉の量や強度がまず思いつきますので、タンパク質やエネルギーの摂取量も要因に加えて分析したそうですが、その場合でも発酵乳製品の摂取頻度との相関関係に変化はなかったと言います。つまりタンパク質やエネルギーといった栄養ではない、別の要因が歩行速度に影響しているということを示しています。
おそらく、それが発酵乳製品の特徴である乳酸菌などのいわゆる善玉菌の効用であると言いたいのだと思いますが、論文ではそこまでは言及はしていません。そこはまだこれからの研究課題なのでしょうが、こうした発酵乳製品によって、腸内環境に良い変化が起きた結果として、歩行速度の改善がみられ、最終的に健康長寿につながるという理論は、そのまま私たちのサステナにもあてはまるお話であり、サステナであればもっと顕著にその結果を引き出すことができるのではとも思います。
今日も一日サステナ飲んでがんばりましょう。
よろしくお願いします。

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