NO.140 2月6日【木】=見た目と脳の健康=

おはようございます。

スマートエイジングという言葉があります。その意味するところは、歳を重ねることによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟することであり、まさに少子化、超高齢社会に暮らす私たちが、これから目指すべき生き方の一つであると認識しています。スマートエイジングは東北大学の加齢医学研究所川島隆太教授らが進める産学連携事業のテーマでもあり、スターリジャパンも東北大学が主催するスマートエイジングカレッジの会員として、これまで健康寿命延伸の取り組みに参加してきました。

その東北大学スマートエイジングカレッジの講師でもあり、加齢医学研究所の副センター長を務めておられる、瀧靖之教授はMRIを使ってこれまで16万人以上の脳画像を診てこられた同分野の第一人者として知られる先生です。瀧先生の社会人向けの講演には、当社社員も過去何度か参加しており、非常に興味深く楽しい内容でしたので少しご紹介したいと思います。

瀧先生は、「見た目と、脳の健康には相関がある」といいます。具体的に「見た目の違い」とは何なのか。「見た目」を整える簡単な方法と、その意外な効果について教えてくださいました。先生は、これまでの研究から、「見た目の印象」と「脳の健康度」はある程度一致すると言います。脳の健康に悪影響を及ぼすものとして「社会的孤立」を挙げておられます。たとえ一人暮らしをしていても、家族や友人、仕事仲間、近所の方々などと会えるタイミングがあったり、コミュニケーションをする時間や機会があれば、社会的に孤立していません。一方でたとえ家族と暮らしていても、コミュニケーションがほぼない状態の人は社会的孤立の状態に近いといえます。

いろいろな人とコミュニケーションをする、科学的に言うと「社会的な交流」は、全身の健康を維持する上でとても大切です。

先生の専門である「脳」においても、社会的交流が活発で、身なりがきちんとしている人は脳の若さが保たれている傾向にあるといいます。反対にヨレヨレの格好の人は、実年齢より10歳以上年を取っているのではないかと思うほど脳萎縮が見られることがあるそうです。では「見た目」の違いとはどのようなものなのでしょうか。

これは高級ブランドを身に着けているということではありません。一言で表現するなら、脳が若々しい方は「シュッ」としているのです。先生は日々仕事でさまざまな方にお会いされるそうですが、どの業界でも一流として業務に取り組まれている方は男女問わずシュッとしていて、そこに秘めた自信がにじみ出ているように感じるといいます。そして見た目を整えると人に会いたくなるのだろうと先生は考えておられます。自分は人と会話をするのが好きじゃないし、別にそんなに社会的交流がなくてもいいよと思う方もいるでしょう。ところが逆説的ですが、ファッションでもメイクでも、自分の見た目を整えると、少しずつですが人に会いたくなる、あるいは外に出たくなるように感じるといいます。

自分に合ったファッションを研究することは、脳の健康を維持する「好奇心」を高めることでもあります。好奇心が強い人は脳の萎縮が抑えられることが明らかになっているのです。つまり、身なりを整えていると好奇心が高まり、同時に人にも会いたくなって社会的交流が活発になるという、さまざまな方面から脳が健康になる好循環に入ります。そしてこの社会的交流を通じて幸福感を高めるにはもう一つ必要な要素があります。この続きは、また明日お話しましょう。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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