NO.129 1月17日【金】=Gゼロ世界=

おはようございます。

2025年の10大リスクとして、ユーラシアグループのイアンブレマー氏がその1位にあげたのが、「深まるGゼロ世界の混迷」です。参考までにその10大リスクを以下に紹介します。

1位:深まるGゼロ世界の混迷
2位:トランプの支配
3位:米中決裂
4位:トランプノミクス
5位:ならず者国家のままのロシア
6位:追い詰められたイラン
7位:世界経済への負の押し付け
8位:制御不能なAI
9位:統治なき領域の拡大
10位:米国とメキシコの対立

Gゼロ世界とは、G7やG20になぞらえてイアンブレマー氏が言い出した言葉で、世界をけん引するようなリーダーシップの取れる国がまったく不在となった世界を意味しています。世界的な課題への対応を主導し国際秩序を維持しようとする国家が存在しない状態となり、地政学的な不安定が常態化するだろうと警告しています。

自国中心の考えにより世界をけん引する意思のある国がなくなるということで、国際秩序が乱れるということなのでしょうか。「新たな世界大戦すら起きるリスクは、かつてなほど高まっている」と指摘しています。ブレマー氏は、10年以上前からGゼロ世界の危険性について警告してきました。Gゼロとは「国際政治における権力の空白」、つまり欧米の影響力の低下や発展途上国政府の国内重視によって生じた、リーダー不在の状態です。

米国では自国ファーストの政権が生まれ、欧州では右傾化が進んで極右政権が誕生しつつあります。自国の利益優先、自国民の経済状況改善が優先課題、そのためには、他者を排除することもいとわないという考え方がまかり通る世界になってきました。移民を排斥するように、社会が寛容さを失い、欧州各国で極右政権が台頭すれば、EU離脱ドミノによって本当にEUの崩壊が始まる可能性も高まりつつあります。

2025年は、地政学的不安定が常態化し、世界的な安全保障体制と経済体制が弱体化し、力の空白が広がることで、ならず者国家が勢いづき、事故・誤算・紛争の可能性が高まるだろうと指摘しています。世代を超えるような世界的危機、さらには新たな世界大戦が発生するリスクは、私たちが生きてきた中で見たことがないほど高まっているとも警告しています。

来週には、米国の新大統領としてトランプ氏が就任します。すでに各方面に多大な影響を及ぼし、日本の経済と安全保障にも先行きが見えない不安定要因をさまざまな形でばら撒いています。その一つ一つがトランプ流のディール(取引)を有利に進めるための撒き餌なのかも知れません。日本は米国の同盟国という立場ですが、なんとかトランプ交渉術に安易に乗ることはせず、少なくともG7を担う一国家としてのプライドと、調和を重んじる独自の思想を貫いてほしいと願っています。昨日も述べた三方よしの精神こそ、これからの世界に必要な思想であると強く思います。

今日もサステナ飲んで頑張りましょう。

よろしくお願いします。

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