おはようございます。
少子高齢化がますます進んでいる日本において、失業率が2%台と非常に低い数字を維持しているのは、好景気ににょって労働需要が旺盛だった過去の高度成長時代とは違って、労働供給側の生産人口が急激に減少していることが原因であると昨日述べてきました。需給バランスから言えば、需要が供給を上回っているのですが、これによって労働市場が活性化し、賃金が上がってゆくという状況にはなっていません。人口に占める高齢者の割合は、これからも増え続けまもなく4割を超え、社会の半分が高齢者という時代が迫っています。一方で生産年齢人口は減少を続けており、消費者でもある高齢者の求めるサービスは今後も増えてゆくため、人手不足はますます深刻化してゆくと予想されています。機械化やIT技術によって省力化が進む分野もありますが、高齢化する消費者の求めるサービスは往々にして労働集約的なサービスであり、介護や医療においても、また運輸、建設、販売、飲食と言った業種においても人を介したサービスが求められており、簡単には仕事は減るどころか、ますます多岐にわたって増えていくと予想されています。
この状況を、以前も紹介した「ほんとうの定年後」の著者である坂本貴志氏は、「労働供給制約社会」と呼んで、働き盛りの年齢層が減少する一方で消費者が相対的に増加し、労働供給が経済成長のボトルネックになる時代であると説明しています。そして地域の観点から見ると、その進行はすでに顕在化しており、ますます高齢者が増加し、若者が減少してゆくため、生活に必要なインフラさえも行き届かなくなる事態が発生していると言います。地方では企業が立ち行かなくなるだけでなく、最も大きな問題は、基礎的で生活に根差したさまざまなサービスが提供できなくなる可能性があることです。
私たちの生活に密着した多くの仕事、コンビニやスーパーの販売員、飲食店の調理や接客業、ドライバーや配達員、介護や建設の仕事、また農業なども都市部からの供給に頼れないサービスが多く、これが人手不足によって成り立たなくなれば、その地域はたちどころに立ち行かなくなってしまいます。こうした地域密着型の身近な仕事が、今後地方においてはますます重要になってくると考えられ、その担い手として元気な高齢者が定年後の仕事、小さな仕事として、社会的なニーズが非常に大きくなると思います。高齢になっても、仕事を通じて社会に対してできる限り貢献をしようと考える人々が増えています。そしてこうした地域密着型の仕事は、実際に住人にとって必要不可欠な仕事になっており、まさに社会を支える存在として日本の経済にとっても極めて重要な役割を担ってゆくと考えます。
働き手が急速に減少するこれからの日本社会において、働かなくても豊かに暮らせる社会は早晩あきらめなければならなくなると、坂本氏は言います。しかしそれは必ずしも現役時代の働き方を永遠に続ける必要があるということではありません。日本社会が今後目指すべきは、地域に根差した小さな仕事で働き続けることで、自身の老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立できる社会であると言います。その意味で私たちのサステナは、高齢者を含むすべての人に、健康だけでなく、地域密着型の仕事を提供できる事業であると考えています。そしてそれは取り組む人の意思と努力により小さな仕事にも大きな仕事にもなる可能性を持ち、社会性の高い素晴らしい仕事であると考えています。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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