おはようございます。
11月26日は、「いい風呂の日」と日本浴用剤工業会が定めた記念日だそうです。単純な語呂合わせではありますが、風呂という言葉は、蒸気を逃がさない狭い室内にこもるための室（むろ）を意味していた説があり、室で蒸気を浴びて身体の汚れをふやかし、こすりだした後に湯で流すというのが一般的なものとされておりました。そのため日本では基本的に身体を洗ってから湯船に浸かる習慣が定着したと考えられており、この室と呼ばれていたものが転じて風呂（ふろ）と呼ばれるようになったとされています。今でいうところのサウナに近いのが室だったのかもしれませんが、それでもやはり日本人にとってお風呂の魅力は、湯船につかって体をほぐし、心もほぐせることだと思います。室はその前段階であり、日本人のお風呂文化は室だけでは語りつくせないものがあります。
では現在のようなお風呂の文化は、いつごろから日本で定着したのでしょうか。6世紀の奈良時代には仏教とともに、清めの場として日本に伝わったのが「浴堂」と呼ばれる寺院の建造物で、僧侶や庶民もこの浴堂に入り、釜でたかれた熱湯の蒸気で垢を落としたとされています。まさにサウナのスタイルであったようです。その後平安時代になると貴族立ちの間で入浴文化が発展し、従来のサウナスタイルの「風呂殿」に加えて、「湯殿」が追加され、まさに体を湯に浸ける場所が加わりました。貴族たちの立派な邸宅には、豪華な入浴施設が作られるようになり、入浴が重要な社交の場となっていきました。
そして、鎌倉時代になると入浴料をとって一般庶民向けにお風呂を提供する銭湯のような施設が登場することになります。本格的に銭湯が普及するのは江戸時代に入ってからですが、銭湯といっても当時はまだ蒸し風呂形式のものがほとんどで、湯船につかるというのは珍しかったと言います。実際に浴槽にお湯を張って浸かるお風呂が広がったのは明治時代に入ってからで、洗い場も広く、天井も高くなり清潔感が増して、非常に評判となりました。そして大正時代には、板張りだった床や浴槽がタイル張りに代わり、さらに清潔感が増し衛生面も大きく向上したと言います。
現代では、お風呂のない家庭はないと言っていいほどまでに普及し、当たり前のものとなったお風呂ですが、温泉文化と相まって、お風呂は単に体を清潔に保つのみならず、リラックスや癒しの空間として重要視されるようになりました。体を温めて血行をよくし、さまざまな効用があるとされるお風呂は、健康維持管理にも非常に役立つ大切な生活習慣として、日本人は独自の文化風習を築いてきた経緯もあります。今一度日本のお風呂文化について考える今日はよい機会かもしれませんね。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。
コメント