NO.98 11月8日【金】=家事を科学する?=

おはようございます。

家の用事と書いて、家事と言われますが、私たちが日々生活を送る中で毎日身のまわりのこと全般の仕事を家事と呼んでいます。ひと昔まえは、家事は主婦の仕事という役割分担、暗黙の了解がありましたが、現在は共働きが当たり前、さらに独身や一人暮らしが全世帯の4割を占める時代になり、毎日の家事をこなせなければ生きていけない時代になってきました。

炊事、洗濯、掃除に代表される家事ですが、その内容も多くは家庭電化製品などの発達によってかなり省力化、あるいは簡便化されつつありますが、一方でこうした文明の利器の発達によってそのメンテナンスや利用方法も複雑になるなど、以前よりもレベルの高い知識や経験値が求められる場面も増えてきています。スマホやパソコンの操作ができないと家事もおぼつかないなんて言う場面にも遭遇します。

振り返ってみると家事に関する教育訓練は、学校では義務教育のなかで家庭科という授業がありましたが、時間数も限られており、現代生活を送るには全く不十分であり、内容もあまりに時代遅れであったように思います。ほとんどは家庭での教育と、あとは自己流での必要知識の習得に依存しているのが現状です。そのためなのか非常に効率の悪い方法や、時には間違った知識に基づいて行われているケースも多いように感じます。

そんな家事という仕事を科学的に分析し、また過去から習慣化されている方法、手法を再度検証して、より合理的に、そして近代的な器具も取り入れた新しい方法や技術を紹介するテレビ番組やハウツー本が、いま話題を呼んでいるようです。その中から、個人的には大変感心したネタをいくつかご紹介したいと思います。

まずはお料理です。卵料理の基本ともいえるゆで卵の作り方ですが、時短と省力、省資源の方法を紹介します。深めの鍋に卵を入れ、鍋の底に薄く水が張る程度に注水します。直径20~25センチの鍋であれば、50~100mlもあれば十分です。この状態で鍋に蓋をして中火程度の火にかけます。これだけでほんの数分でしっかりとしたゆで卵が出来上がります。時間的には通常の調理時間のほぼ半分の時間で、しかも中までしっかりと均等に熱が入ったゆで卵ができます。半熟にしたければ、さらに時間を短く調整すれば、半熟卵も可能です。時間が半分になり時短で、しかも光熱費も、水も節役出来る優れ技です。

原理は、ゆで卵ではなく蒸し卵を作るということです。水は摂氏100度で沸騰しますが、ここが限界温度でこれ以上は上がりません。しかし水蒸気は100度を超え、簡単に200度近くまで温度を上げることができます。したがって熱湯でゆでるより水蒸気で蒸した方が温度が上がり、より短時間で卵を固めることができるのです。最初に水から沸騰させるまでの時間分は確実に時短となり、段取りが求められるお料理全体の作業がスムーズになります。

もう一つ、これも非常に役立つ技ですが、ジャムや佃煮といった瓶の蓋の開け方です。通常こうした食品は保存性を高めるため、瓶詰の際には減圧を行って蓋をしており、非常に蓋が固く締められています。開けるのにとても力を必要としたり、専用の器具を使わないと開かないということもしばしばです。これを何の道具も使わず、いとも簡単に手で開ける方法があります。まず瓶の蓋が下になるように逆さまに持ちます。この状態で蓋を回すとより少ない力で蓋が動くのです。蓋が動いて緩めば、あとは蓋を上にして開ければよいのです。もちろんそのまま開け続けると内容物がこぼれてしまいますので、そのタイミングははかる必要がありますが、嘘のように蓋が緩むのです。

理屈は簡単です。内容物と蓋の間には通常空間がありますが、減圧されているのでここは真空に近い状態です。なので、そのまま開けようとすると真空のため蓋が容器に吸い付いているので、非常に固くなりますし、これを動かすにはかなりの力を要することになります。ところが瓶を逆さまにすると内容物が下がってこの空間が瓶の底の方に移動し、蓋と内容物が密着するため、蓋を容器に吸い付けていた力がなくなり、より少ない力で蓋を動かすことができるようになるというわけです。

こうした知恵を家事のヒントとして紹介するテレビ番組やハウツー本は、いまやたくさんありますのでぜひ活用し実践してみてはいかがでしょうか。

今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。

よろしくお願いします。

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