NO.80 10月3日【木】=中東危機再び=

おはようございます。

昨年の10月7日に、イスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃をかけて以来ほぼ1年が経過しようししていますが、パレスチナでの紛争は沈静化にむかうどころか、周辺国を巻き込む形でますますエスカレートする勢いです。昨日はイランから180発もの弾道ミサイルがイスラエルに向けて発射され、被害の全容はわかりませんが、すでにネタニヤフ首相は報復攻撃を示唆しており、更なる事態のエスカレートが危惧されています。

パレスチナの地はイスラム教、ユダヤ教、そしてキリスト教という三大宗教の聖地であるエルサレムを擁しているため、イスラム教徒であるパレスチナ人とユダヤ教徒であるイスラエルがその領有をめぐって過去から争いが続いている地域です。パレスチナ人の背後にはイスラム系のアラブ諸国であるシリア、レバノン、エジプトなどにイランが加わり、支援を続けてきました。一方のイスラエルは、世界中に散らばるユダヤ系の人々が経済的な支援を続けており、特に米国の支援はイスラエルの生命線となっています。

元をたどれば、ユダヤ教徒のシオニズム運動により、1948年パレスチナの地域をユダヤ人にも分割するという国連決議を根拠としてイスラエルが国家として独立を宣言したことが発端と言えます。これを不服としたエジプト、レバノン、シリアなどのアラブ連盟国がイスラエルとの戦争を宣言し、侵攻を始めたのが第一次中東戦争です。以来4度にわたる戦争を繰り返し、なんとか平和条約締結までこぎつけた時期もありましたが、その後も軍事的な衝突を繰り返し現在に至っています。宗教的な争いが発端とされていますが、現在は国家間の政治的な問題が色濃く反映される紛争になりつつあり、特にイスラム武装組織であるハマスやヒズボラ、そしてイエメンのフーシ派などに武器支援をするイランの存在が、中東情勢をより危険な状況に陥れています。

結局のところ、パレスチナの人々もイスラエルの国民も戦争による犠牲を強いられているのは市民であり、彼らのだれも戦争を望んでいる人々はいないのです。確かに宗教人にとってその聖地は大切なものでしょうが、命に勝るものはないはずです。さらに言えば、聖地巡礼は世界が平和であれば、どこへでも旅することができますから、あえて自国内に聖地がなければならない必要はないとも思います。世界中の仏教徒がインドの聖地を訪れたり、キリスト教徒がやはりエルサレムを訪れたりすることが、平和な世界であればできるはずです。パレスチナの人々、そしてイスラエルの国民にとって、戦争にどれほどの意味があるのか、本音のところをぜひ聞いてみたいと思います。この戦争が政治的な理由で過去から継続されているなら、まずその問題を解決しなければ、戦争は終わらないと思います。

この問題、私たちにとっても他人ごとではない問題と思いますので、明日ももう少しお話したいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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