おはようございます。
今週のテーマは、放牧酪農です。昨日は放牧酪農に対して、現在の酪農業の主流になっている配合飼料を主体とした舎飼い酪農の問題点についてお話しました。効率を重視するあまり、牛を牛舎に閉じ込め、搾乳量を上げるために飼料効率の高い穀物主体の配合飼料によって飼育を行うことは、経済的には合理性がありますが、一方で乳牛たちの健康が犠牲にされており、その影響は少なからず牛乳の品質にも影響を及ぼしていると私たちは考えています。さらに言えば家畜の飼育環境という観点から見れば、アニマルウェルフェア(家畜の福祉)にも大きな問題をはらむ酪農スタイルであり、持続可能(サステナブル)な農業とはかけ離れた飼育方法と言わざるを得ません。
実際、配合飼料を主体とした舎飼い牛と放牧牛では、生産される牛乳の品質にもさまざまな違いがあります。餌が違えばミルクにも差が出るのは当然ですが、多くの酪農家は乳脂肪の比率を上げて濃い牛乳をつくることを目指しています。それは生乳の買い取り価格が乳脂肪の割合によって左右されることも一因です。牛肉が霜降りと呼ばれる脂肪の入り方で評価されるのと似ている部分があります。確かに脂肪分は味や食感に大きな影響を及ぼす要素ですが、私たちのサステナは製造工程で乳脂肪は取り除きますので、まったく無駄な努力であり、必要のない要素なのです。そのために牛の健康を犠牲にしているとすれば、まさに本末転倒です。
配合飼料による舎飼いに比べて、放牧牛乳は乳脂肪以外の微量成分にも、さまざまな影響があると言われています。牧草に由来するミネラルや、不飽和脂肪酸と言った栄養成分が豊富で、何より風味が全く違います。主観的ではありますが、生乳でいただくと濃厚なミルクの味わいが口いっぱいに広がりますが、あと味はとてもスッキリしてまるで清涼飲料水のようなさわやかな印象です。これが牧草の香りなのかも知れません。日ごろ慣れ親しんだ牛乳の味、イメージが一変するほどの差を感じます。
本当の美味しさとは、脂肪の分量でもなければ、甘味度でもない、その素材の本来持っている合目的的な特性をどれだけ表現できているかが大きく影響すると私は考えています。牛乳は、本来的には子牛の命を育むために母牛が自らの血液を元に、まるでその命を分け与えるようにして、つくられた食べ物です。その目的を考えれば、健康な母牛でなければ、良いミルクは作れません。健康な母牛にこそサステナのパワーが宿るのだと考えています。
牛乳は、まさに自然のもつ命のパワーを母牛から子牛に伝えるために作られた食べ物と言えます。私たちはその仕組みをすこし拝借して、人間の健康維持管理にも役立てようとしているに過ぎません。大切なことは、その自然の恵みを利用させて頂くのですから、できる限り人為的な介入を少なくしてありのまま、自然のままを残す工夫が必要であると考えています。人為的な介入はある意味人間の都合、人間のエゴであり、これが大きくなればなるほど、自然の恩恵は減少してゆきます。
サステナは、乳牛に人間用の抗体を作ってもらうという大きなエゴを押し付けています。だからこそ、それ以外のことは可能な限りあるがままの自然を残さねばなりません。牛に過大なストレスを与えず、あるがままの生活環境を再現することが重要であり、その答えが100%牧草による放牧酪農であると考えています。日本にも鳴かない牛がいることを、ぜひ皆さんにも体験していただければ幸いです。
今日もサステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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