おはようございます。
台風10号が過ぎて、やや落ち着きを取り戻しつつありますが、東京の昨夜は久しぶりにエアコンなしで過ごせる気温となり、秋の気配がようやく感じられる気候になってきました。しかしながらこの涼しさも一時的で、相変わらず日本の近海は海水面温度が高く、また南の海上にはいくつも雲の塊が渦巻いている状況で、今年の9月はまだまだ厳しい残暑と大型台風の発生に警戒が必要なようです。
さて、昨日の続きですが、スターリジャパンは今月27日から会員の皆さまにも参加いただいて、北海道研修旅行を計画しています。目的はサステナの故郷であるニュージーランドとほぼ同じスタイルで、牧草だけによる放牧酪農が実際に行われている牧場が北海道足寄町に存在することを知り、グラスフェッドの牛たちとその酪農農家を訪ね、放牧酪農の魅力と可能性について身をもって体験し学習することです。そして近い将来、日本においても放牧酪農による健康な牛たちによる免疫ミルクサステナの国内生産ができる、スターリ牧場の実現・建設を進める候補地の一つとして現地酪農家との交流を深めて行くことが大切だと考えています。
私たちのサステナは、米国で研究され開発された歴史がありますが、商業生産は当初からニュージーランドで行われてきました。米国は欧州と並んで世界でも有数な酪農生産国であるにも関わらず、なぜスターリ研究所はニュージーランドでの生産にこだわったのか、それが昨日からお話ししている放牧酪農という牛の飼育スタイルにあります。牧草だけで育てられた牛(グラスフェッド)は何が違うのでしょうか。
一般のイメージは、牛乳や乳製品のパッケージにあるように広大な牧場で、牛たちが自生する牧草を食べながらのどかに過ごしている風景を想像しますが、米国においても日本においても、近代酪農の実態は全く違っています。酪農業も効率化を追求する中で、飼料は牧草主体から穀物を使用した配合飼料主体に変わり、さらに広大な土地を必要とする牧場はどんどん減って、牛舎と呼ばれる空間に牛を閉じ込めて、給餌するコンパクトなスタイルに変わって行ったのです。確かに穀物を中心に消化効率を上げた配合飼料は、早く牛を成長させ搾乳量を増やすことを可能にしましたが、牛は一生牛舎から出ることもなく、ただのミルク製造装置になり果ててしまいました。牛も生き物ですし、私たちと同じ哺乳類に属する高等動物ですから、このような環境で果たして健康でいられるのでしょうか。ストレスを感じないのでしょうか。
答えはノーです。牛の寿命は通常20年程度と言われています。もちろん世界最長寿記録は48年といいますから、犬や猫よりも長生きと言います。しかし多くの酪農農家で飼育されている牛の寿命は5~7年です。肉用牛に至っては3年未満です。肉用牛はその目的が食用ですので、いたし方ない面はありますが、乳牛がこんなに短いのは、やはり健康状態に関係しています。多くの乳牛は5年ほどで乳の生産能力が落ちてくること、そして乳房炎などの病気が発生する確率が高くなるため、早めに肉として出荷されてしまうためです。
つまり牛舎で配合飼料主体に飼育する近代的な酪農は、やはり牛に大きな負担とストレスを与える環境であり、その結果牛たちの健康状態が損なわれているというのが実態であるということです。産乳効率を上げるために、牛たちの健康を犠牲にしてきた近代酪農に私たちは大きな問題意識を持っています。穀物は炭水化物です。人間でも食べ過ぎれば肥満になり、糖尿病や高血圧といった成人病につながります。牛も同じで、それが常態化しているのが今の酪農業なのです。
私たちのサステナは、健康を守ることが目的です。そのサステナの原料を作ってくれる牛が不健康では、やはり品質の良いサステナは作れないのです。それがサステナのこだわりです。では、放牧酪農の実態について、明日ももう少しお話を続けたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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