NO.62 8月30日【金】=エスカレーター、どっちに乗る?=

おはようございます。

現在台風が日本列島を縦断中で、激しい風雨によって各地に甚大な被害と、大きな影響を与えています。進路にあたる地域はもとより、周辺や遠く離れた地域にも発達した雨雲が発生し、場所によっては線状降水帯によって極端に大量の雨が集中し、洪水や土砂災害を引き起こすリスクがたかまっています。台風の本体は上陸することで勢力を落としつつありますが、スピードが自転車なみのノロノロ状態で迷走しており、特定の地域に長時間滞留すれば、さらに被害が拡大することになります。いずれにせよ、日本全体で、週明けまでは最大級の警戒を怠らないことが肝心です。

さて、本日の話題はエスカレーターに乗るときのマナーについてです。駅や空港などのターミナルはもちろん、デパートやショッピングセンター、あらゆる建物、建造物にはエレベーターとともにエスカレーターが必ず設備されており、階段を使うよりエレベーターを使うより、エスカレーターを利用する機会が圧倒的に増えています。現代の生活において、エスカレーターはほぼ毎日、そして日に何回も利用する設備として、私たちの生活の中に定着していますが、その利用には不文律のようなルールが存在しています。

まず、エスカレーターはほとんどの設備で大人二人が横に並べる幅になっています。したがって二列で利用する仕組みになっていますが、現在はどちらか一列は立ち止まって利用し、もう片方を歩けるように空けて乗るというのが、ルールのように定着しています。上りも下りもまず同じルールになっていますが、ではあなたはどちら側に乗りますかと言うのが本日のテーマです。関西と関東でルールが違うことは多くの人が認識している事実で、関西は右立ち、関東は左立ちと言われています。新幹線で東京から新大阪に到着し、ホームから改札に向かうエスカレーターに乗るとき、毎回戸惑うことがあります。混雑しているときは、流れに乗るだけなので迷うことはありませんが、人が少ない時や自分が先頭で下車した時は、ちょっと戸惑います。まあ、混雑していない状況では、気にする必要もないのでしょうが、やはり日本人はマナーやルールを守る意識が強いのかも知れません。

この片立ちのルールは、ある調査によると右立ちは関西だけのルールで、それ以外の関東を含む他の地域は、圧倒的に左立ちになっているようです。つまり東西で境目があるのではなく、関西だけが右立ちで、しかも関西でも京都は左立ちが多いという結果もあります。一説によるとこの片立ちのルールは、1970年の大阪万博がその起源とされており、各パビリオンのエスカレーターに左側を歩く人用に空けて利用しましょうとアナウンスされていたそうです。その理由は右立ちが世界標準とされていたからだそうです。確かに欧米や中国、台湾、香港などはほとんど右立ちですから、大阪万博では世界標準に合わせたというのが事実のようです。しかし、現在の実態は関西以外、ほとんど左立ちがルールとして定着しています。なぜなのでしょうか。理由は諸説ありますが、私は日本の道路交通ルールである右側通行が自然と身についてしまっているからと言うのが最も可能性が高いと思っています。

ところが、最近は皆さんもお気づきの通り、エスカレーターの利用ルールを自治体が主導する形で、立ち止まって利用するというルールに変えようとしています。エスカレーターは2列で立ち止まって利用しましょうというアナウンスや張り紙が多く見られます。一つは危険防止のためと言われ、特に高齢者が歩いて利用する人と接触したりして転倒する事故が増えているそうです。また障害者や杖を持つ人は、手すりを持つ側を一方に限定されると利用できないため、そこにも配慮したようです。

さらにある調査では片方を歩く人のためにスペースを空けて利用するより、二列で歩かずに利用するほうが、混雑時にあってもエスカレーターの輸送能力は上がるという結果も報告されています。確かに朝のラッシュアワーで、エスカレーター乗り場に長い行列ができているシーンを見かけますが、歩く側はほとんど人がいなくて、非常に非効率だなと思うことがしばしばあります。

まだまだ歩かずに立ち止まって乗るという新しいルールが定着するには、少し時間がかかりそうですが、私も積極的にこの新しいルールを日々実践していきたいと思っています。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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