おはようございます。
昨日からの続きです。食品と医薬品の境界線と言うのがテーマですが、これは日本に限らず世界でも大変に重要な問題になっています。共通しているのは、どの国も医薬品というカテゴリーを厳格に規制管理するためにさまざまな法律が存在し、管理すべき医薬品の範囲をまずは明確化しようと法律がつくられているという背景がある点です。特に日本はそれが顕著に法律の建付けに表れており、医薬品には、「疾病の診断や治療、予防を目的とするもの」という明確な定義がありますが、食品には、「医薬品を除くすべての飲食物」という非常にあいまいで、大雑把な定義づけになっていることは、昨日もお話した通りです。
しかし昨日も述べたように、私たちの身体は日々私たちが口にする食品によって作られ、また維持されていることは誰も否定できない事実であり、日々のメインテナンス(保守管理)を行っているのは医薬品ではなく、本来的には食品であるはずです。医薬品とは、身体の状況がさまざまな理由で非常事態に陥り(病気)その状況が命にかかわ事態であったり、そういう事態に発展する可能性があるときに、身体の外から緊急的に応援、支援する救助部隊であると言えます。したがって私たちの大切な命を守るために、とても大事な役割を果たしてくれる貴重な存在であり、優れた医薬品が開発されることで、多くの人々の命が救われてきたことも、人類の歴史を見れば明らかです。しかしながら、ここで考えたいのはペニシリンの発見以降、近代的な医薬品の開発がもたらした華々しい業績に目がくらみ、私たちはいつの間にか医薬品に必要以上に依存してしまう習性が植え付けられているように思います。
日本人は、特にその傾向がつよく、世界でも医薬品消費量は米国に次いで2位の位置にあります。薬剤の単価や健康保険制度の違いも加味すれば、日本人のクスリの消費量は世界でトップクラスであり、クスリが大好きな国民性と揶揄されることもあります。高齢者に限らず、通院が日課になっている人たちの中には、1日に10種類もの薬を飲んでいる人も珍しくありません。食事より、薬のほうが多種多様なバラエティーに富んでいるという皮肉な状況も見えます。明らかに異常な状況であり、これで健康になれるとは考えにくい事態です。
こうした弊害を生んでいる元凶が、やはり医薬品の法的な位置づけにその一端があると私は考えています。医薬品とは、疾病の診断や治療、予防を目的としているものとされていますが、もちろんそれは間違っていません。しかし、この医薬品を除くものが食品であるとする考え方がおかしいと思っています。医薬品と食品の間には、共有できるスペースがないのです。医薬品の利用目的のうち、診断や治療は医薬品の専売事項で良いと思いますが、予防は医薬品ではなく食品が本来担うべき事項であると思います。百歩譲って、予防は医薬品と食品の両方がそれぞれの利点を生かした活用を広げればよいと考えます。そして予防こそが私たちが、病気の治療以上にもっともっと力を注がなければならない課題であると思っています。
そして予防への取り組みこそが、サステナの大きなテーマであり、病気になる前に病気にならない体づくり、これが私たちの目指す健康社会の基本であると考えています。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。

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