おはようございます。
今年初の台風1号が沖縄方面から日本列島に近づいています。台風1号の発生としては例年よりかなり遅いようですが、今回の台風が大きな災害をもたらす可能性があるとして、気象庁などは最大限の警戒を呼び掛けています。それは台風の接近上陸による直接的な暴風雨被害ではなく、台風と梅雨前線が重なることによって、いわゆる線状降水帯が繰り返し発生する恐れが出ているためです。
昨年の6月初旬にも台風2号と梅雨前線がぶつかり、西日本から東日本の太平洋側で6県にまたがり繰り返し線状降水帯が発生し、東海地方で500ミリを超える大雨、その他四国、近畿、関東でも400ミリの雨を観測し、各地で土砂崩れや洪水などの被害が相次ぎました。日本の南海上にあった台風が送り込む暖かく湿った南風が、ちょうど日本列島に位置していた梅雨前線にぶつかり、大雨を降らせる結果になったと言います。
今回の台風1号も、現在地は沖縄のはるか南方にあり、日本列島に最接近するのは31日ころと予想されていますが、すでにその影響で高温多湿の南風が日本に吹き込んでおり、これがちょうど西から接近している梅雨前線を刺激し、九州南部、四国、東海に今日から明日にかけて災害級の大雨をもたらす予報となっています。
線状降水帯という用語が天気予報などでよく使われるようになったのは、ごく最近ですが、現象としては以前からもあったと言います。しかしながら昨今は気候変動の影響もあり、気象の激甚化がすすむなか、線状降水帯の発生頻度も増え、結果として災害も多発していると言えます。季節はまだ5月です。本来なら五月晴れのさわやかな気候に、昨今は運動会をこの時期にする学校も増えましたが、季節感がどんどん失われてゆくようで本当に心配になりますね。
気象庁は、昨日線状降水帯の発生予報について新たな運用を開始したと発表しました。今回の事態に合わせ、予定より1日早めて運用を始めたそうです。これは従来の予報精度をさらに改善し、よりきめ細かくそして精度のたかい予報が出せるようになったと言います。具体的には従来の予報は、全国を東北地方、関東地方といった11のブロック単位で観測されていまたので、なかなかピンポイントでの警報、注意報が出せなかったと言います。しかし今回からは基本的に府県単位、また範囲の広い北海道や東京となどはさらに地区を細分化して、基本的には発生の12時間前に予報が出される仕組みになったといいます。
これにより、該当地域での避難誘導がより正確に迅速に行えると気象庁は言いますが、各自治体がどこまでこれを活用できるかは、これからの課題としてあるようです。予報精度が上がった理由は、予測のための観測数値が、従来は5キロ四方のマス目で観測されていたものが、より細かく2キロ四方まで詳細に観測できるようになったことが挙げられています。これはその予測計算をするコンピューターの性能、AI技術の進歩も大きく寄与しているそうです。気象予測だけでなく、あらゆる分野においてIT技術の進化、特にAI(人口知能)技術の進歩が、私たちの生活のいたるところに変革をもたらしているということを実感するトピックでもあります。
これから世界はAIによってどんどん豊かで住みやすくなればいいのですが、一方でAIによる新たな可能性が予期せぬ犯罪や事故を起こし、人知を超えて制御しきれなくなる危険性を唱える専門家もいますから、しっかりと見極めて利用することも必要であると感じています。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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