おはようございます。
今週はミルクのサイエンスと題して、ミルクから乳製品の製造工程や、その栄養成分について解説をしていますが、ミルクが食品素材として卵と並んで非常にバランスの取れた完全食品と言われている理由が、ある程度ご理解いただけたのではと思います。まずは良質のたんぱく質が豊富であること、そして炭水化物として乳糖が多く含まれていますが、これがエネルギーの元になるだけでなく、腸内環境の改善にも働いているということ、そしてこれに加えてバターとなる脂質とカルシウムなどのミネラル分もしっかり含まれており、命をはぐくむために必要な栄養素がほぼそろっているということです。考えてみれば、卵はひなが新しい命として生まれるために必要なすべてをまかなっているわけですし、ミルクも生まれた子供が一定の期間成長するに必要な物質をすべて供給しているわけですから、当然の事実なのだと考えます。
完全食品ともいえるミルクが私たちに与えてくれる恩恵として、だれもがまずイメージするのがカルシウムだと思います。ミルクにはコップ一杯(約200ml)で220㎎ものカルシウムが含まれていると言われ、高カルシウムといわれる小魚や小松菜などの野菜と比べてもダントツの多さです。さらにミルク中のカルシウムは体内への吸収率が非常に高く、野菜の2倍、小魚に比べても2割以上吸収効率が良いとされています。なぜならミルクにはカルシウムの吸収を促進する特別な物質(乳糖やカゼイン分解物)が同時に含まれているからなのです。これは、成長期の子供や50歳を過ぎた閉経期の女性にとっては、非常に貴重なカルシウム源となり、骨の成長を促進し、骨粗鬆症などの予防にも大変有効であると考えられています。
ミルクに含まれる栄養成分は、ここまで見てきたタンパク質、炭水化物、脂質、ミネラルといった、いわゆる四大栄養素をすべて網羅しているだけではなく、微量のさまざまなビタミンなどの重要物質も豊富に含んでいることが分かっています。これもミルクがほかのどの食品素材と比べても、ダントツに優れていることを示す重要な証拠であります。畑の野菜や農産物、家畜や魚などの畜肉製品など、私たちの食卓にはたくさんの食材があり、それぞれに違った栄養成分を食事として私たちの身体に供給してくれますが、ミルクにはもう一つ他の食材とは大きく違う大切な役割があります。それは栄養補給という食品の第一義的な役割を超えた、まさに哺乳類のミルクだからこその役目があるのです。
もうお分かりだと思いますが、ミルクを与えることで、母親はその子供の命を外敵から守る役目を担っているのです。母子免疫の仕組みですね。つまりミルクは命の成長に必要な栄養を供給すると同時に、その命を外敵から守る働きも同時に果たしているということです。ミルクには栄養成分だけでなく、命を守る物質、つまり免疫物質もたくさん含まれているということなのです。ここからはサステナの特徴である免疫成分のお話になりますので、明日以降さらに詳しく述べたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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