おはようございます。
日本は世界でもトップの平均寿命を誇る高齢国家ですが、一方で生活習慣病やガンなど慢性的な疾患の増加により、医療費も高騰を続けており、社会保障制度の一角である健康保険制度が国家の財政を大きく圧迫する状況に陥っています。政府としても、国民の健康維持増進は、財政的な側面からも最重要課題として取り組みを続けてきており、医療の基本的スタンスは、治療から予防への大きく変わってきています。その一環として見直されてきたのが、食と健康への取り組みで、1984年から行われた当時の文部省による特定研究「食品機能の系統的解析と展開」が、そのきっかけになったと言われています。この研究によって、食品には栄養やおいしさという価値に加えて、生体調節機能があることが明らかになり、食品における機能を次のように整理して定義されました。
①一次機能:栄養素やカロリーを供給する ②二次機能:味・香り・美味しさなどの感覚s的機能 ③三次機能:生体調節機能(生体防御、疾病の防止、疾病の回復、体調リズムの調整、老化抑制)
この特定研究を契機に、食品の三次機能研究が一層盛んになり行政も強い関心を寄せることで、機能性食品と呼ばれる新しい食品のジャンルが生まれることになります。そして1991年に保健機能食品という制度が法制化され、その中で特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品という2つのカテゴリーが、その機能性を表示して販売することを許可された新しい食品としてスタートすることになります。法制化にあたっては、当時の厚生省や農水省、そして通産省などが関わり、行政の中でもさまざまな綱引きがあったようですが、最終的には厚生省の生活衛生局が窓口として管轄することでなんとか船出した経緯があります。しかしながら、行政もそして業界も大いに期待した保健機能食品という新しい制度は、結果的には一定の市場規模を構築するに至りますが、残念ながら国民の認知度の点においては、あまり評価されず、国のお墨付きと言われたトクホマークも、消費者の購買行動を変えるほどの影響力は発揮できませんでした。
その原因の一つとして、保健機能食品、特にトクホはその認可制度があまりに厳しく、食品メーカーにとってはコストがかかりすぎたこと、そしてその割には許可される機能表示が、とても制約が多く本当にアピールしたい機能についてストレートに表現ができなかったことが挙げられます。やはり、薬事との綱引き、医療業界との権益争いがその裏側にあったのだろうと思われ、食品メーカーにとっては、高いコストを払っても見返りの少ない制度という認識が広がってしまったようです。保健機能食品が掲げた、本来の目的である食品の三次機能を活用して、国民の健康維持増進につなげるという命題は、結果的に、行政と業界の内部権益の争いによって骨抜きにされたと言っても過言ではないと思います。
しかし、国民の食と健康への関心は、その後もますます高まりを見せ、安倍政権の下で規制緩和の一環として保健機能食品についても見直しがなされます。そこで生まれてきたのが機能性表示食品という新たなジャンルです。従来のトクホや保健機能食品に加えて、新しく制定された機能性表示食品については、来週またこの続きをお話したいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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