おはようございます。
以前にもご紹介した脳と腸の相関について詳しく記した、東京大学坪井貴司教授の著書「腸と脳の科学」（講談社）には、腸と脳が情報のやり取りをして、お互いの機能を調節しているしくみ「脳腸相関」の研究について、最新の知見が網羅されており注目されています。腸内環境の乱れは、腸疾患だけでなく、不眠、うつ、発達障害、認知症、糖尿病、肥満、高血圧、免疫疾患や感染症の重症化など、全身のあらゆる不調に関わることがわかってきているといいます。腸がどのように脳や全身に作用するのか。分子及び細胞レベルで見えてきた驚きのしくみを、先生はこの著書でとても詳しく、そしてわかりやすく解説されています。
私たちのサステナをより深く理解するには、腸内環境の改善がいかに全身の健康につながっているかを良く知ることが一番の早道であり、その意味で、坪井先生の著書「腸と脳の科学」は、私たちにとっては、野本先生の「生体防御力」（ダイヤモンド社）と並んで、必ず読んで頂きたい参考書の一つであると考えています。その「腸と脳の科学」の中で、薬剤（クスリ）と腸内フローラについて触れておられる一節を、一部抜粋してご紹介したいとおもいます。
腸内フローラは、さまざまな刺激によってその組成が大きく変化します。例えば食事の内容（食物繊維が少なく、脂質や糖質が多い場合など）や、ストレスがかかると体内に増加するホルモンや神経伝達物質などによって変化します。そこで、日本人の腸内フローラの組成に影響を与える要因を調べる研究が行われました。その結果、治療薬（経口薬に限らず注射などを含む）が腸内フローラの組成に最も強く影響を与えることがわかりました。食事や運動などの生活習慣よりも３倍も強い影響だったそうです。２番目は疾患（炎症性腸疾患、HIV感染、糖尿病、うつ病、慢性肝炎など）でした。
治療薬の中でもどのような疾患に対する薬の影響が大きいのでしょうか。解析の結果、消化器疾患治療薬、糖尿病治療薬、抗菌剤、抗血栓薬、循環器疾患治療薬、脳神経疾患治療薬、抗がん剤の順で、腸内フローラの組成に影響を与えていました。消化器疾患治療薬の中では、飲みすぎや食べすぎによって胃が痛いときに飲む胃薬（胃酸の分泌を抑制して胃痛を抑えるプロトンポンプ阻害薬）やタンパク質の摂取が困難な場合に腸から投与する輸液（経腸アミノ酸製剤）、そして肝機能が低下して脂肪の吸収力が低下している時や胆石を溶解させるために飲む薬（胆汁促進剤）の影響が高いことがわかりました。
例えば糖尿病と高血圧を患っている場合、糖尿病と高血圧の治療薬を複数同時に服用する場合もあります。そこで、投与された薬剤の数の多さが、腸内フローラにどのような影響を与えるのかについても解析が行われました。その結果、同時に投与された薬剤の数が増加すればするほど、酪酸や酢酸といった短鎖脂肪酸を産生する菌種が減少しました。一方で、投与する薬剤の数を減らすことで、腸内フローラへの影響も減らすことができる、つまり腸内フローラの組成を回復できることも明らかになりました。これらのことから、薬剤は腸内フローラに大きな影響を与えるため、薬剤の使用には当然のことながら注意を払う必要があります。また、薬剤を使用したことにより増加、または減少した腸内細菌によって引き起こされる副作用を予測できる可能性があります。
ここまでが、坪井先生の解説ですが、いまのクスリ漬け医療の問題点を的確に指摘されていると思います。これらの研究から導きだせる答えは、クスリを止めれば腸内フローラへの悪影響を防ぎ、自然と腸内環境の改善が期待できるのではということです。これは私たちのサステナを愛飲して頂いている多くの会員の声にも通ずる部分であると考えます。なかなか止められなかった血圧や糖尿のクスリを、サステナを続けることで少しずつ減らして行き、最後は完全にやめることが出来たというのは、多くの会員の皆さんから寄せられている声です。サステナで体調を整えながら、クスリへの依存をまずは減らすことで、カラダ全体の改善につながって行く過程ですが、それはサステナだけの効果というより、クスリの腸内環境への悪影響を減らすことも、じつは大きな環境改善への要因になっているということなのだと理解できます。極論を言えば、クスリを止めるだけで腸内環境の改善から、さまざまな症状は快方に向かう可能性があるということです。そしてこれが自己治癒力であり、その原動力が腸内環境にあるという考えです。クスリ好きと言われる日本人の国民性が、実は多くの病気の温床を作り出しているという皮肉な状況です。
今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。
よろしくお願いします。
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